勉強中に音楽を聴くと、集中できてはかどると感じる方もいれば、「本当に効果はあるの?」「逆に気が散っているのでは?」と不安に思う方もいるでしょう。
この記事では、音楽が勉強にどのような影響を与えるのか、プラス面とマイナス面の両方から解説します。
勉強に向く音楽の特徴や、自分に合った選び方、集中力を高める活用法も紹介します。
科学的な根拠も交えながらお伝えするので、「子どもが音楽を聴きながら勉強していて心配…」という保護者の方にも参考になるでしょう。ぜひ最後まで読んで、成績アップに役立ててください。
音楽は勉強にどんなメリットがあるの?

最初に音楽の良い影響に関する3つの質問に、科学的な視点を交えて回答します。
勉強中に音楽を聴くと集中できる?
静かすぎると、少しの物音でも気になって落ち着かない方は多いものです。勉強中に音楽を聴くと、こうした物音を遮ってくれて、落ち着いて集中できることがあります。
また、暗記をはじめとする負荷の少ない勉強中には、脳に考える余力が生まれてしまい、気が散りがちになります。こうした余力を音楽が埋めてくれることで、目の前の暗記に集中しやすくなるでしょう。
勉強にうまく音楽を取り入れれば、集中力の後押しが可能です。
音楽で気分が上がるのはなぜ?
好きな音楽を聴くことで気分が高揚し、やる気が出た経験のある方も多いでしょう。この仕組みには、脳内で「ドーパミン」が増えることが関係していると、研究により示されています。ドーパミンは快感や高揚感に関連する神経伝達物質です。
もっとも、ドーパミンだけですべてが説明できるわけではありません。たとえばセロトニンやオキシトシンといった他の物質も、感情やモチベーションに影響しています。とはいえ、好きな音楽は科学的にも、やる気スイッチとして活用可能と考えられます。
音楽って記憶力にもいいの?
音楽と勉強内容をうまく結びつけることで、記憶を助けられる可能性があります。
感情の起伏や環境の変化は、記憶を区切る「マーカー」として働くことが知られています。音楽には感情を揺さぶる力があり、そのときの出来事(エピソード記憶)と結びつくことで、後から思い出しやすくなる場合があるのです。
この特徴を活かして、たとえば「単語帳をやるときはこの音楽」と決めておくと、学習内容を音楽とセットで記憶できるかもしれません。すると、テスト中に曲を思い出すことで、記憶も引き出せるでしょう。
音楽が逆効果になることはないの?

音楽を聴きながら勉強すると、やり方や個人の特性によっては、かえって集中できないことがあります。ここでは音楽のデメリットに関する3つの質問に回答します。
音楽を聞きながら勉強していると成績が下がるって本当?
一概に「成績が下がる」とは言えませんが、勉強内容によっては注意が必要です。
特に数学の応用問題や長文読解など、深い思考力が求められる勉強では、音楽が集中力の妨げになることがあります。これは、脳が「問題を解く」ことと「音楽を聴く」という2つの作業を同時に行うマルチタスク状態に陥り、思考力が分散してしまうためです。
一方で、単純な暗記や作業系の勉強では、音楽によって適度な負荷がかかり、かえって効率が上がることも少なくありません。課題に応じて音楽のオンオフを切り替えるのが賢い選択です。
音楽を聴きながらの勉強が習慣化するとまずい?
避けたいのは「音楽がないと集中できない」状況です。実際のテストや授業は無音のため、本番で力を出し切れなくなる恐れがあるためです。
いちど音楽なしで勉強してみて、必要以上に頼っていないか確かめてみましょう。タイマーや記録アプリを使って、客観的に進み具合や理解度を比べるのがおすすめです。
勉強するときに音楽を聴くルーティンになってしまっている場合は、他のルーティンに切り替える練習をしてみましょう。たとえば「ゆっくり深呼吸を3回する」「背筋を伸ばして姿勢を正す」「使うペンをカチッと鳴らす」など、人目を気にせず行える集中スイッチを作ってみてください。
音楽が合わない人の特徴は?
音楽が合わない可能性が高いのは、もともと集中力が高く、静かな環境を好む「内向的な人」です。
内向的な人が音楽を聴きながら記憶課題や読解力テストを行うと、成績が明らかに下がる傾向がある、と複数の研究により報告されています。一方で、外部からの刺激を求める「外向的な人」は、音楽による成績の低下があまり見られませんでした。
これは、内向的な人にとって音楽が「過剰な刺激」となり、思考の妨げになってしまうためと考えられます。もしあなたが静かな環境で集中できるタイプなら、あえて音楽を聴くのは逆効果かもしれません。
勉強に向いている音楽・向いていない音楽は?

ここでは、勉強に向いている音楽と向いていない音楽の一般的な傾向と、実際に選ぶときの考え方を紹介します。
歌詞の有無、ジャンルで効果は変わる?
一般的に、歌詞がなく落ち着いた曲調のクラシックやアンビエント・ミュージックは、思考の邪魔になりにくく、勉強に向いているとされます。逆に、歌詞のある音楽や賑やかな音楽は、注意がそれやすい傾向があります。
ただし、たとえ静かな音楽でも、好きなジャンルだとつい聴き入ってしまって逆効果となりがちです。あくまでBGMと割り切れる曲を選ぶのが、集中力を維持するコツといえます。
勉強の種類ごとにおすすめの音楽は違う?
勉強の内容によって、合う音楽の傾向は異なります。
計算や暗記なら、ローファイ・ヒップホップやチルビートのようなリズムのある音楽を合わせて、集中力を後押ししてもらいましょう。復習するときは落ち着いたクラシックやピアノソロを流すと、気分が落ち着いて取り組みやすそうです。
頭を使う読解問題に向き合うときは、ごく静かな音楽や、音楽以外の自然音などが、集中を妨げにくくおすすめです。
自分に合う音楽を選ぶには? 判断基準はあるの?
勉強に合う音楽の傾向はあるものの、実際にどれが良いかは人によってさまざまです。たとえば、好きな音楽だと気が散りやすい傾向がありますが、聞き慣れているため安心して集中できるという方もいます。どちらも間違いではありません。
また、そのときの気分も大きく影響します。だらけた気分なら、アップテンポで刺激的な曲がエンジンをかけてくれるかもしれません。逆に気持ちが高ぶっているときは、落ち着いた音楽が集中への導入になることもあります。
おすすめの曲にこだわりすぎず、自分の状態を感じながら選んでみてください。
音楽を効果的に取り入れるには?

ここでは、音楽をもっと活用するヒントについて、3つの質問に回答します。
どのタイミングで音楽を聴くと効果的?
勉強前・勉強中・休憩中といったタイミングに応じて、目的に合った音楽を聴くのが効果的です。
勉強前なら、やる気が出ないときはアップテンポな音楽でやる気を引き出し、緊張しているときはリラックスできる音楽で心を落ち着けましょう。勉強中は、静かな曲で周囲の雑音を遮断すると集中が続きやすいです。
休憩時間には、好きな音楽を聴いてリフレッシュするのがおすすめです。音楽に合わせて体を動かすのも良い気分転換になるでしょう。
イヤホン・ヘッドホンとスピーカー、どちらが良い?
集中したい場合はイヤホンやヘッドホン、開放的な気分で臨みたいときはスピーカー、と使い分けるのがおすすめです。
周囲の雑音を遮断して勉強に没入する場合は、ヘッドホンやイヤホンが最適です。リビングやカフェといった雑音が多い場所でも、まわりを気にせず集中できるでしょう。ただし音量の上げすぎは耳への負担が大きいため、適度な音量を保ち、ときどき外して耳を休ませてください。
一方、自室など音を出しても問題ない場所であれば、スピーカーも良いものです。空間に広がる音楽のなかで、リラックスして勉強に取り組めるでしょう。
音楽と併用できる勉強法やアプリは?
勉強法としては、タイマーやストップウォッチで時間を区切って「締め切り効果」を活用するのがおすすめです。「○分だけやる」と決めることで、時間内に終わらせようとする心理が働き、集中して取り組めます。代表的な例が「25分集中+5分休憩」を繰り返すポモドーロ・テクニックで、このために構成された音楽動画も多いため、BGMとして取り入れやすいでしょう。
アプリでは、勉強した時間や教材を記録すると、モチベーションの維持に役立ちます。シンプルな記録アプリ「目標達成タイマー」や、勉強記録を全国の仲間と共有できる「スタディプラス」が人気です。以下の記事も参考に、自分に合った方法を探してみましょう。
音楽は「使い方次第」で勉強の味方になる!

勉強中に音楽を聴く効果とデメリット、音楽の選び方、活用方法についてお伝えしました。
音楽は使い方次第で勉強の味方になります。気分を変えたいタイミングで取り入れたり、自分に合った音楽を選んだりすることで、やる気や集中力を後押ししてくれるでしょう。
「音楽=集中できない」「音楽=集中できる」どちらも正解になり得ます。性格や状況に応じて上手に活用できれば、勉強がぐっと前向きになるはずです。
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