高校の種類

1.公立・私立・国立

公立高校とは、各都道府県や市によって設立された高校です。東京であれば「都立高校」、大阪であれば「府立高校」、愛知県あれば「県立高校」などと呼ばれます。公立高校の特徴は、学科の種類が多いので、高校選びの候補として選択肢が広がります。

私立高校とは、民間団体(学校法人)が設立した高校です。学校ごとに指導方針や校風にさまざまな特色があります。

国立高校とは、国立大学の系列校です。多くの国立高校は、進学校で入学するレベルは非常に高いです。国立高校の特徴は、自由な校風にあります。

2.全日制・定時制・通信制

全日制高校の修業年限は基本的に3年で、祝日や長期休暇を除いた週5~6日学校に通い、各学年の進級要件を満たすことで次の学年に進級できます。 入学時期は4月が多く、転入や編入の時期は学期末や年度末など決まった時期に行われます。入学試験では公立学校は5科目、私立学校は3科目が一般的で、 基本的には集団で教師が直接授業をします。第3学年を修了すると同時に卒業となります。

定時制高校は卒業のためには3年以上の在籍と、74単位の取得が必要です。定時制は夜間に勉強をする学校というイメージがありますが、昼間部・昼夜部・夜間部の3パターンがあり、多様な学び方ができます。入学試験は国語・数学・英語・面接の4つで、入学時期は4月が一般的です。通学時間帯は夕方からが多く、登校日数は祝祭日や長期休暇を除いて週5~6日です。定時制も基本的に集団授業であり、学期ごとの試験を通じて単位を取得します。所定の単位を修めると卒業となり、卒業後は就職する方が多いです。

通信制高校の修業年限は3年以上で、学年制ではなく「単位制」となっています。登校日数は週1~5日程度通う学校もあれば、年5日程度の合宿に参加すればよい学校まで様々です。入学時期は4月・10月が多く、通年で転入生、編入生随時受け入れている学校が多いです。入学試験は書類選考・作文・面接が一般的です。

3.普通科・専門学科・総合学科

普通科は、基礎科目(国語・数学・英語・社会・理科)を中心とし、基本的な学習が可能なカリキュラムが組まれています。また、文系・理系などのコースに分けたり、選択科目を組み込んだりします。生徒の進路は、ほぼ大学・専門学校への進学です。1割ほどの生徒は就職をします。

専門学科は、基礎科目に含まれない工業・農業・商業・家庭・芸術といった専門的な学習をするカリキュラムが組まれています。また、普通科に含まれている社会科学・自然科学・人文科学・保健体育の高度な学習をする専門学科もあります。生徒の進路は、就職と大学・専門学校への進学で半数ずつ程に分かれています。

総合学科は、普通科・専門学科の二種を合わせたものです。単位制を採用しており、生徒の進路に合わせて多くの選択科目からカリキュラムを組むことができます。生徒の進路は、大学・専門学校への進学が多く、2割ほどの生徒は就職をします。

4.学年制・単位制

高卒資格を得るための条件の1つは、必須科目を含む74単位以上を取得することです。その単位の取得方法には、単位制と学年制という2種類があります。

学年制とは、大半の全日制高校や定時制高校で導入されている制度です。どの高校でも、卒業のためには単位を取得しなければならない点は同じですが、学年制の場合は1年ごとに必要な単位数が決まっている点が、単位制との違いです。そのため1年間で必要な単位数が取得できれば、1年生から2年生、3年生へと進級できますが、単位数が足りなければ留年となってしまいます。留年した場合は、足りなかった単位だけでなく、その学年のすべての単位を取り直す必要がある点も、単位制との違いといえます。そのため留年した人でも、基本的に毎日学校に通うことになります。

単位制とは、通信制高校や一部の全日制高校、定時制高校で導入されている制度です。高卒資格を得るための条件は、学校教育法によって決められており、その中に「必須科目を含む74単位以上を取得すること」というものがあります。単位制は各科目に単位が設定されており、3年間の在籍と必要単位数を満たせば卒業できるという制度です。大半の全日制高校や定時制高校とは異なり、学年という概念が薄く、場合によっては必要単位を取得するまでに4年以上かける人もいます。単位制のメリットは、学年にとらわれず一人ひとりのペースで科目を履修できることであるため、働いていたりスポーツに専念していたり、また不登校などで学校に通いづらかったりする人にも適しているといえます。全日制高校や定時制高校から、単位制の通信制高校に転校するという場合でも、元の学校で取得した単位を学校の判断によりそのまま引き継ぐことができるため、家庭事情や生活スタイルの変化に応じて単位制に移行することも可能です。

情報の集め方5選

1.高校のHP

まずは高校のHPを確認することがおすすめです。校風や校舎、カリキュラムやコース、進学や就職の実績などを知ることができます。また、授業や部活、行事など、学校生活の写真が載っていることもあるため、生徒たちがどのような毎日を送っているかがわかります。受験したい中学生に向けたページが用意されていることもあり、おもに私立高校では、パンフレットなどの資料を請求することもできます。

2.学校見学

高校のHPやパンフレットを見て、さらに興味の出た高校には、実際に訪問してみることがおすすめです。直接訪問することで、その高校に通っている生徒の雰囲気を肌で感じることができます。高校主催の説明会やオープンスクールには、積極的に参加しましょう。先生に受験の相談もできますし、在校生と話をする機会が得られることもあります。また、文化祭を見に行くと実際に通っている生徒の素顔を見られ、校風などもよくわかるのでおすすめです。

3.先輩から話しを聞く

部活の先輩など、興味のある高校に通っている身近な人に学校の様子を聞くのもおすすめです。また、口コミサイトにも先輩の話しが掲載されていることがあるので、ネットでチェックすることもおすすめです。

4.中学校の先生に相談

担任の先生や進路指導の先生に相談することもおすすめです。生徒の学力や性格などをよく把握しているので、適格にアドバイスをしてくれます。

5.塾や家庭教師の先生に相談

塾や家庭教師では受験情報が豊富なので生徒に合った学力や特性の高校を提案してくれます。

高校選びの4つのポイント

1.教育方針・校風

教育方針とは、各高校が考える望ましい教育の姿と、その理想を実現するための仕組みのことです。具体的には、次のようなものがあります。

男子校・女子校・共学校
男女別学のメリットは、異性の目を気にせず気兼ねなく過ごせることがあります。また、性別による役割分担がなく、クラス活動等にも幅広く参加できます。一方、共学校のメリットは、男女がお互いの弱点を補いつつも良い影響を与えることができる点にあります。

中高一貫校
学校ごとに中高一貫校である理由があるため、その背景を調べておくと良いです。また、一貫校のなかでも、中学から入学している生徒と高校から入学した生徒が混合のクラスになるかどうかで、高校での過ごし方が変わってくるので要チェックです。

宗教系
宗教系の学校とはいえ、信仰を強制することはありません。ただし、宗教の授業や礼拝の時間など、一般的な学校とは少し違う特徴もあります。その雰囲気が自分に合っているか、宗教の授業や礼拝があっても違和感がないかなどを考えておくと良いです。

大学付属校
大学附属校では、エスカレーター式に大学に入学できます。ただし、成績が悪く卒業資格がないなどの場合、必ずしも進学できるわけではありません。また、高校での成績上位者から学部を選べる仕組みを採用している高校が多いため、希望する学部が明確に決まっている場合、高校でもしっかり勉強することが重要です。

2.通学時間・通学手段

毎日通学しなければならないため、通学時間や通学手段も重要です。自宅からあまりに遠いと、自宅と学校の往復だけで疲れてしまい、予習・復習に時間を割くのが難しくなってしまいます。また、自宅から徒歩や自転車で通える範囲の高校なのかどうかも重要になります。特に、女子生徒の場合は「駅から遠い」「部活などで遅くなると帰りが心配」等が多くの保護者から不安視されます。

3.進学実績・就職実績

大学進学を希望している場合、進学実績もポイントの一つです。また、卒業後は就職を希望している場合、就職実績もポイントです。各高校のHPに実績が掲載されているので、自分が希望する将来の進路にどれだけの先輩が進んでいるのかをチェックしておくと良いです。

4.入学難易度

どんなに校風が良く、雰囲気が自分にぴったりでも自分の学力がその高校に合っていなければ入学することはできません。そのため、高校選びでは入学難易度も把握し、自分の学力に適切かどうかを判断することも重要です。

高校の選び方

  1. 自分の学力を把握する

    まずは自分の学力を把握することが重要。夏ごろまでに各都道府県が実施する模試を受けることもおすすめです。

  2. 高校の種類を決める

    公立or私立、全日制or定時制、普通科or専門学科など、学費や将来やりたいことなどを踏まえて決めましょう。

  3. HPやパンフレットで情報収集

    行きたい高校の方向性が決まってきたら、興味のある高校をHPで調べてみましょう。またパンフレットも請求しても良いです。

  4. 通学圏内の高校を選ぶ

    興味のある学校でも家から遠すぎれば通えません。なので、自宅から通学圏内なのかを調べることも重要です。

  5. 学校説明会や見学会に参加

    志望校が決まったら、説明会や見学会に積極的に参加して、実際に高校の様子を見てみましょう。校舎や生徒の雰囲気が合うかも高校選びでは大切です。