学校の授業中や図書館での自習など、勉強の最中に集中力が切れてしまったと感じた経験がある方は多いのではないでしょうか。

あるいは、大事なテスト中に「眠たい…」とパフォーマンスが低下してしまった経験もあるかと思います。

この記事では、集中力が高まる効果が期待できるおすすめの食べ物や飲み物を紹介します。

集中力が切れてしまう要因

集中力が切れてしまう要因として、必要な栄養素が欠乏し身体のさまざまな器官のかたらきが鈍っていることが考えられます。

特に脳は全身の器官をつかさどる重要な器官です。

脳に必要な栄養素が欠乏し、脳内物質がうまく生成・放出されなくなったり、脳の一部の器官のはたらきが鈍ったりすると、集中力が切れやすくなります。

ですので、脳に必要な栄養素を補ってくれる食べ物・飲み物を摂取することで、集中力を高める効果を期待できるかもしれません。

集中力を高める7つの成分

・ブドウ糖
ブドウ糖は、脳のエネルギー補給の役割をしています。
勉強をしていて、ふと甘いものが食べなくなることがありますが、それは甘いものに含まれている糖質を体が無意識に求めているからです。
糖質は体内で最終的に「ブドウ糖」などに分解され、エネルギーとして使われます。
ですので、ブドウ糖が不足すると疲労感が増したり、集中力が低下したりします。
また糖質にもいくつかの種類があり、ブドウ糖に分解されてエネルギーとして使えるようになるまでにかかる時間はそれぞれ異なります。
より分解されやすい糖質や、そのままエネルギーとして利用できるブドウ糖を摂取すれば、すぐに脳のエネルギーを補給できます。

・ビタミンB群
脳がエネルギーとする主な栄養素はブドウ糖ですが、ブドウ糖だけ摂取していてもエネルギーを吸収できるわけではありません。ブドウ糖を脳のエネルギーとしてしっかり活用し集中力を保つためには、ビタミンB群の存在が不可欠なのです。特に、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸は糖質からのエネルギー生成に使われる栄養素です。

<ビタミンB群に含まれる栄養素>

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ナイアシン
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • 葉酸
  • パントテン酸
  • ビオチン

ビタミンB1は欠乏すると全身の倦怠感が現れます。また、ビタミンB6は体を作るたんぱく質の材料であるアミノ酸の代謝や認知機能の発達に関わっています。
効率的にエネルギー生成したり、脳や体のはたらきを万全にするためには、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6を積極的に摂取することをおすすめします。

・カフェイン
カフェインには覚醒効果があると言われています。
これはカフェインが、神経の興奮を鎮めるはたらきを持つ「アデノシン」という物質のはたらきを邪魔するためです。
アデノシンがアデノシン受容体と結合すると神経の興奮が鎮められて眠気が訪れますが、カフェインはアデノシンの代わりにアデノシン受容体と結合してはたらきを阻み、神経を興奮させる作用があるのです。

・メントール
ミントの香り成分であるメントールは、清涼感によって集中力をアップさせてくれます。これはメントールが冷たさを感じる時にはたらく体内のセンサーを刺激する性質を持っているからです。

・フラバノール
チョコレートの原料であるカカオには、フラバノールという成分が含まれています。このフラバノールにはストレスを軽減したり認知機能を改善したりする効果があるとして研究が進められています。

・チロシン
ナッツ類などに豊富に含まれるチロシンというアミノ酸は神経伝達物質「ノルアドレナリン」の合成に必須です。ノルアドレナリンは精神を安定させたりやる気を起こさせたりするはたらきがある神経伝達物質の一つです。ですから、脳や心のはたらきをしっかり保つために、ノリアドレナリンなどの神経伝達物質の合成に必要な成分をしっかり摂取することをおすすめします。

・DHA
人の脳神経組織の固形成分のうち半分近くが脂質でできています。青魚に豊富に含まれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」は脳を構成する脂質の一つです。ですから、DHAを摂取することで、理解・判断・論理などの認知機能が衰えるのを予防する効果があると言われています。

集中力・記憶力をアップ
させる食べ物11選

<おやつにおすすめ!>

・ラムネ

ラムネは、脳にとって重要なエネルギーであるブドウ糖を補給するのにおすすめのお菓子です。ラムネには、ブドウ糖が主原料の商品が多くあります。ブドウ糖が原材料のものを選べば、脳のエネルギーを迅速に補給することができます。

・バナナ

バナナは、ブドウ糖などの糖質を多く含んでいます。ブドウ糖はそのまま脳のエネルギーとなる糖であるため、素早く吸収されます。また、果糖はブドウ糖と相互に作用しながらエネルギーとして利用されます。なので、バナナは食べてすぐ脳のエネルギーになるだけでなく、持続的にエネルギーを補給する役割もあるのです。

・あんこ

あんこはお菓子の中では低カロリーでブドウ糖も多く含むので、集中力・記憶力アップにおすすめです。

・ガム

ガムにはメントールというミントの香り成分が含まれていて、清涼感を与えてくれます。疲れた時に気持ちを切り替えるのにおすすめです。

また、咀嚼すると「前頭前野」という思考や創造性を担う脳の中枢器官が活性化すると言われています。

・チョコレート

カカオを原料とするチョコレートにはフラバノールというストレスを軽減させたり認知機能を改善したりすると言われる成分が含まれています。特にカカオが多く含まれているブラックチョコレートはフラバノールの含有量が多いです。また、チョコレートに含まれている糖質は脳のエネルギー補給にもなるのでおすすめです。

・ナッツ類

ナッツ類には精神を安定させやる気を起こさせる神経伝達物質ノルアドレナリンの合成に必須のチロシンが豊富に含まれています。特にピーナッツやカシューナッツ、アーモンドなどに多く含まれているのでおすすめです。

<食事におすすめ!>

・納豆

ナッツ類と同じく、納豆にもチロシンが豊富に含まれています。また、納豆にチロシンの他にも、疲労感を軽減するはたらきがあるとされている「ヒスチジン」や、認知・記憶・学習などの脳の機能に関わっている「グルタミン酸」といったアミノ酸、記憶力の低下を防ぐといわれている「レシチン」という成分が多く含まれています。

・五穀米

五穀米には、ブドウ糖、ビタミン、ミネラルなど多くの栄養素がバランスよく含まれているので、毎日のご飯に混ぜるだけでも記憶力・暗記力アップに効果的です。

・豚肉

豚肉は体内でブドウ糖をエネルギーにする際に必須のビタミンB1を豊富に含んでいます。特にヒレ肉はビタミンB1の含有量が多いです。また、豚肉はその他のビタミンB群も含んでいます。例えば、豚のレバーにはビタミンB2が豊富に含まれています。

・青魚

青魚には、理解・判断・論理などの認知機能が衰えるのを予防する効果があるときたいされる「DHA」が豊富に含まれています。特に、サバにはDHAに加え、集中力に影響すると考えられるチロシンや、疲労感を軽減するはたらきがあるとされているヒスチジンなど、さまざまなアミノ酸が豊富に含まれているのでおすすめです。

・ニンニク

ニンニクにはビタミンB6が豊富に含まれています。ビタミンB6は認知機能の発達に関わっている重要な栄養素です。また、ニンニクには臭いの元となる「アリシン」という成分が含まれています。このアリシンにはエネルギー生成に関わるビタミンB1と結合してその吸収を助けるはたらきがあるため、疲労回復効果があるとされています。