高校入試において、英検(実用英語技能検定)の資格を評価する学校が増えています。

推薦入試の出願資格や内申点加算など、各学校で設けられている優遇の仕組みを理解し、活用することで、受験の可能性を広げることができます。

本記事では、英検の基礎知識から入試での評価のされ方、効果的な学習方法まで、保護者の方々に知っていただきたい情報をわかりやすく解説します。

高校受験における英検資格のメリット

高校受験において英検を取得することには、大きく3つのメリットがあります。英検は、受験生の実践的な英語力を証明する指標として、多くの高校で評価されています。

入試における英検取得の主な優遇制度

  • 内申点(調査書の評価)にプラスとなる可能性
  • 推薦入試や特別選抜の出願資格として認定
  • 一般入試での加点対象

内申点(調査書の評価)にプラスとなる可能性

  1. 中学校での学習成績に加えて、英検の取得級に応じて加点される学校もある
  2. 英語の評定において、努力の成果として評価されるケースがある
  3. 学校によっては、総合的な学習の記録欄にも記載される

推薦入試や特別選抜の出願資格として認定

  1. 準2級以上の取得で、推薦入試の出願資格が得られる学校がある
  2. 英語特化コースでは、2級取得者を対象とした特別選抜制度があることが多い
  3. 面接のみや書類審査のみで合格できる可能性も

一般入試での加点対象

  1. 英検の級に応じて、入試で加点される制度を採用している学校もある
  2. 英語の試験が免除される場合がある
  3. 2次試験や実技試験が免除されるケースも

これらの優遇制度は学校によって基準や内容が異なりますが、英語力の証明として広く認められています。特に、グローバル教育に力を入れている高校や、国際コース・英語コースを設置している高校では、英検の資格を非常に高く評価する傾向にあります。

また、英検取得は入試対策としてだけでなく、実践的な英語力を身につけるという点でも大きな意味があります。取得した英語力は、高校入学後の学習にも直接活かすことができ、将来の進学や留学にも役立つ貴重な財産となります。

英検などの検定や資格がどのように影響するのか、候補にあがっている志望校について、親がしっかり把握しておいたほうがいいですよ。

子どもは、募集要項も流し読みでよくわかっていない、なんていうのもありますからね、うちの息子がそうでしたから!(息子がダメダメだったのかもだけど)。

中学生だから本人が調べるべきだろうし、塾にお任せもありだとは思うけど、やっぱり親も知っておくことは必要です。

英検とは?各級のレベルと試験内容を解説

英検(実用英語技能検定)は、1963年にスタートした日本で最も歴史が長く、広く認知されている英語資格試験です。文部科学省の後援を受けており、学校教育の場でも高く評価されています。

英検は1級から5級まであり、それぞれ次のような目安とされています。

レベル
1級大学上級程度(英語を使って仕事ができるレベル)
2級高校卒業程度(海外の大学で学べる基礎的な英語力)
準2級高校中級程度(日常生活で英語を使えるレベル)
3級中学卒業程度(基礎的な英語でコミュニケーションができる)
4級中学中級程度(基本的な英語を理解できる)
5級中学初級程度(初歩的な英語を理解できる)

試験は大きく2つの段階で実施されます。

【一次試験】

筆記試験

英文法、語彙、長文読解などを測定

・リスニング

放送された英語を聞いて内容を理解する力を測定

・ライティング(2級以上)

英語で文章を書く力を測定

【二次試験】

・面接試験

  • 一次試験合格者のみが受験可能
  • 英語での質疑応答やカードの説明など、実践的なコミュニケーション能力を測定
  • 級によって試験内容や時間が異なる

両方の試験に合格することで、その級の認定を受けることができます。近年では、CBT(コンピューターを使用した試験)方式も導入され、より受験しやすい環境が整っています。また、一次試験合格後の二次試験は、およそ1ヶ月後に実施されるため、計画的な準備が可能です。

高校受験で評価される英検の級は?

英検取得による優遇制度を採用している高校では、おおむね準2級以上の取得者を評価対象としています。これは、準2級が高校中級程度の英語力を証明する級であり、高校での学習にスムーズに対応できる力を持っていることを示すためです。

具体的な優遇例を見てみましょう。

・工学院大学附属高等学校

英検2級取得者は特別選抜の対象

・清風高等学校

準2級以上で内申点に加点

・近畿大学附属高等学校(英語特化コース)

2級取得者は特別選抜の対象

・共立女子第二高等学校

準2級以上で推薦入試の出願資格

※最新の情報は公式サイトで確認してください。

各学校によって優遇内容は大きく異なります。たとえば、内申点への加点、推薦入試の出願資格、特別選抜の対象など、さまざまな形での優遇制度があります。そのため、志望校の入試要項で詳しい内容を確認することが非常に重要です。

また、一般入試では英検の資格が直接的な評価対象にならない場合でも、推薦入試ではプラス評価につながることが多いのも特徴です。英検の資格は、受験生の英語学習に対する意欲や継続的な努力を示す証明として評価されるためです。

いずれにしても、英検で準2級レベルをクリアしておくことには大きなメリットがあります。準2級レベルの英語力があれば、通常の学校の英語の授業での成績アップも期待でき、高校入学後も英語の授業についていけないというリスクを大幅に減らすことができます。また、将来の大学受験や留学などにも、この時期の英語力が大きな財産となります。

英検は4級、3級までは、独学でもきちんと対策すれば比較的スムーズに取れます。

そこから先が難関!がんばりましょう!

2025年度スタート!準2級と2級の間を埋める「英検準2級プラス」

出典:英検準2級プラス特設サイト

準2級と2級の間のレベルとして、2025年度から「英検準2級プラス」が新設されます。

英検では、準2級から2級に合格するのが特に難しいと言われてきました。

出典:英検準2級プラス特設サイト

上のグラフにある通り、各級の合格までに要する期間はおよそ1年前後ですが、準2級の合格者が2級に合格するには、2年近くかかっています。

そこで、この大きな差を埋める橋渡しとして、準2級プラスが導入されることになりました。

準2級プラスでは、準2級の内容に加えて、より実践的なコミュニケーション能力が問われます。現時点で高校受験の制度での扱いは未定ですが、他の受験勉強と並行しながら英検に取り組む受験生にとって、準2級プラスの導入は2級取得へのステップアップをよりスムーズにする可能性があります。

英検3級は高校受験に意味ない?

英検3級は、高校入試の優遇制度の対象とならないことが多いものの、英語学習においては重要な意味を持ちます。

  • 英語の基礎力が身につく
  • 英検の試験形式に慣れることができる
  • 準2級、2級への足がかりとなる
  • 学習意欲の向上につながる

3級は中学卒業程度の英語力を測る級です。この級を取得することで、上の級をめざすための確かな土台を築くことができます。英検にチャレンジする際には、まず3級取得が最初の目標にもなります。

よく英検3級くらいじゃ意味がない……みたいに言われるけど、検定に合格した!という達成感を味わうことも、子どもにとって大きな経験になるんじゃないかな。

英検受験の計画的なスケジュール作り

英検の資格に有効期限はありません。そのため、計画的に準備を進めることができます。以下は、中学1年生からスタートする場合の一例です。

中1:4級・3級にチャレンジ

中2:準2級の学習開始、受験

中3:2級への挑戦、または準2級の確実な取得

ただし、大学受験では英検の取得時期に制限を設けている大学があります。たとえば、さかのぼって2年以内に取得した英検のみを条件としている大学は比較的多くあります。高校受験で準2級や2級を取得した場合、高校入学後は志望大学の入試要項をよく確認したうえで、2級や1級の取得時期を踏まえて計画しましょう。

効果的な英検対策の進め方

英検対策には、次のような学習方法があります。

  • 市販の問題集やアプリを活用した自学自習
  • オンライン学習教材の利用
  • 英検対策に特化した家庭教師の活用
  • 英検対策講座への参加

特に重要なのは、「読む・聞く・書く・話す」の4技能をバランスよく学習することです。二次試験の面接対策も忘れずに行いましょう。

英検3級くらいまでは、過去問や問題集を解くことで、独学でも取得しやすいようです。家庭学習の習慣がついており、他の科目の勉強もこなしながら英検対策ができれば、一番いいですね。

とはいえ、英検もレベルが上ってくると、特化した対策が必要になってきます。もともと英語が得意なのか、苦手なのかでも違ってきます。子どもの様子と学校の英語成績を見ながら、必要に応じて、プロの手を借りて学ぶのも検討してください。

前向きに英検取得をめざそう

英検取得は、高校受験での優遇だけでなく、英語力向上という大きな財産になります。級の選択や学習計画は、現在の英語力や目標に合わせて設定することが大切です。

資格取得は確かに大変ですが、それは同時に子どもの自信にもつながります。ぜひ、前向きに取り組んでいただければと思います。

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編集:オンライン家庭教師GIPS

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