うちの子、英検受けているけど、大学受験にどれくらい役に立つのだろう?

そんな風に思っていませんか? 

英検は大学入試で実際にどう活用できるのか、いつ、どの級を取得すべきなのか。本記事では、大学受験における英検の具体的な活用方法と、効果的な取得戦略を徹底解説します。

なぜ大学受験で英検が注目されているのか

近年、大学受験で英検が注目されているのには、大きな理由が2つあります。

1つ目は、大学入試における英語の内容が変わってきたからです。大学入試では、ただ文法問題を解けるだけでなく、英語で実際にコミュニケーションが取れる力、つまり「使える英語力」が求められるようになってきました。英語4技能とよく言われる、スピーキング・リスニング・リーディング・ライティングを、英検(実用英語技能検定)はまんべんなく測定できます。「使える英語力」を測るためのテストとして、英検は多くの大学から認められているわけです。

2つ目の理由は、大学入試の選択肢が広がったからです。以前は、センター試験のようなテストでひとくくりに評価されていましたが、今は、大学によってさまざまな入試方法があります。その中でも、英検のスコアを使って入学できる大学が増えている状況があります。

今では多くの高校生が英検を取得しています。それは大学入試において有利になる、活用できるといった理由の他にも、そもそも大学入学後も英語学習は必須で、これからは英語が使えないと就職での選択肢が狭まる、英語を話せないと困ると考えているからです。

大学受験における英検の「得点加算」と「出願資格」

大学受験は、大きくわけると、一般選抜と総合型・選抜型(いわゆる推薦)の2つの方法があります。

英検を含む英語の外部検定の利用方法としては、一般選抜では得点に対する加算、総合型や選抜型では出願における条件、定められた資格としているケースが多いようです。

大学受験での英検活用状況

出典:大学入試で受験生は英語の外部検定、何使う?/旺文社教育情報センター

上記は2024年大学受験の一般選抜で英語の外部検定を利用した大学に対し、実際に受験生が利用した検定を調査した結果です。英検が約92%とほとんどを占めています。

英語の検定はさまざまあるのですが、長く実績があり、知名度も高い、親世代も一度は受けた経験のある英検を選ぶ人が多いのではないでしょうか。

下記は全国の大学で英語の外部検定を導入している場合の、各検定の採用割合を示しています。

出典:大学入試で受験生は英語の外部検定、何使う?/旺文社教育情報センター

実際に大学入試でも、外部検定としてもっとも多く認められているのが英検です。

大学受験入試|英検の評価は3種類

  • 受験級の合格のみを評価
  • CSEスコア(総点・各技能点)を評価
  • CEFRレベルを基準とする場合

パターン1:合格したかどうかだけを見る

「英検2級合格」など、合格した級だけを見る大学が最も多いでしょう。この場合、合格していれば、英語の試験が免除されたり、加点されたりするといったメリットがあります。

パターン2:CSEスコアを詳しく見る

CSEスコアとは、英検の成績を数値で表したものです。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つの技能ごとの得点に加え、総合的な得点も表示されます。このスコアを詳しく見て、総合的な英語力を評価する大学もあります。

パターン3:CEFRレベルで評価

CEFRレベルとは、ヨーロッパ言語共通参照枠という国際的な基準で、英語力を6段階にレベル分けしたもの。英検の級は、このCEFRレベルに対応しています。CEFRレベルを基準に、どのくらいの英語力があるのかを評価する大学もあります。

つまり、どの大学を受けるかによって、求められる英検のレベルや評価のポイントが異なります。

英検取得による大学受験のメリットとは

推薦入試での活用

推薦入試では、受験生の英語力を測る目安として、「英検2級以上」といったように出願資格を定めている大学が多くあります。ですから、推薦を取るために、そもそも英検取得が必要なわけです。

推薦入試では、学力だけでなく、その大学で求められる人物像に合っているかなども評価されます。英検の取得は、その人物像のひとつとしてアピールできます。たとえば、「国際的な活躍を目指す人」というような学部・学科の場合、英検の取得は、英語力だけでなく、国際的なことに関心を持っていることを示す証拠になります。

最近では外国語学部、国際関係に限らず、理工系でも英検のような英語外部検定を必要としている場合もあるので、志望学部の条件を早いうちから確認し、英検取得のプランを立てることが重要です。

みなし満点制度とは

「みなし満点制度」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは、英検の級によっては、大学入試の英語科目が満点とみなされる制度のことです。「英検準1級以上を持っている人は、英語の試験が免除になる」といった具合です。規定の英検を取得していれば、英語の受験勉強時間が短縮できるのは、受験生にとって大きなメリットです。

大学受験では「英検2級をいつ取得するか」がポイント!

一般的に、大学入試では英検2級がひとつの目安になります。注意したいのは、大学によっては英検を取得した日からの期限、たとえば2年以内といったように決められている場合があることです。

なぜ、取得時期が大切なのでしょうか?

それは、大学が、受験生の英語力が安定して身についていることを確認したいからです。中学生の頃に取得した英検2級よりも、高校生の頃に取得した英検2級の方が、より最近の英語力の実力を示すと言えるからです。

一般的に、高2で英検2級を取得しておくと、大学受験に余裕を持って臨むことができます。逆算してプランを考えると、中学で少なくとも英検3級を、高1で準2級、高2で英検2級を取得し、大学受験に備えるのがおすすめです。英語が得意、英語力が入試で大きなポイントになるケースでは、より高いレベルを設定し、中学時代から級をステップアップするか、高校生なら英検のダブル受験(隣り合った級、たとえば英検3級と4級、2級と準2級などは同日に受験ができる)も視野に入れて対策をたてましょう。

しかし、ここでひとつ問題があります。英検準2級と2級では、難易度が大きく変わります。英検準2級までは、比較的スムーズに合格できることが多いですが、英検2級は、英語の総合的な力が求められます。英語が苦手な場合は、家庭教師などに頼って、効率的に学習を進めることも検討しましょう。

独学で学んでほしいと思うのが家計を預かる親の本音ですが、結局、時間をかけて合格に届かないのであれば、いっそ、プロに頼むのもひとつの手です。

最近よく聞く『タイパ』がいいってことかな。

新設された「英検準2級プラス」とは?

英検準2級プラスは、30数年ぶりに新設される英語検定試験の新しい級です。2025年度から実施されるこの級は、英検準2級と2級の間に存在する大きな難易度の差を埋めるために導入されました。これまで、多くの受験者が準2級から2級への移行に苦戦していましたが、この新しい級の設置により、よりスムーズなレベルアップが期待できます。

英検準2級プラスは、スモールステップで英語力を向上させ、最終的に2級取得へとつなげる橋渡し的な役割を果たします。大学入試を見据えて英検対策を行う場合、現在の中学生や高校1年生は、この新しい級を学習プランに組み込むことで、より効果的な準備が可能になるでしょう。段階的に英語力を伸ばしていくことで、最終的な目標である大学入試に向けて、着実に実力を積み上げていくことができます。

英検準1級か?英検2級か?大学入試に必要な英検のレベル

一般的な目安として「英検2級」が求められると前述しましたが、難易度の高い大学や学部によっては、1級レベルが求められるケースも見受けられます。

一例を見てみましょう。

  • 一橋大学商学部の学校推薦型選抜では、英検1級が出願資格として求められる
  • 北海道大学の一部学部では、英検1級を含むCEFR B1以上のスコアが求められ、英語試験が免除されるケースがある
  • 早稲田大学国際教養学部の一般入試では、英検1級取得者に20点の加点がある

これらの例から、英検1級は主に出願資格や加点、試験免除などの形で優遇されていることがわかります。ただし、多くの大学では英検2級や準1級でも優遇措置があるため、1級取得が難しい場合でも、2級や準1級の取得をめざすことが大切です。

大学受験入試で英検を活用している大学・学部の事例

学校名学部名どのように活用されているか
明治大学商学部、経営学部英語四技能試験利用方式で出願資格として活用
英検2級以上で出願可能
青山学院大学国際政治経済学部B方式入試で英検準1級以上が出願資格
中央大学経済学部、文学部、総合政策学部英語四技能試験利用方式で活用
経済学部は英検2級以上
文学部は準1級以上で英語試験免除
法政大学全学部個別試験で英検利用可能。学部により準1級以上または2級以上が必要
学習院大学法学部公募型推薦入試で英検準1級以上が利用可能
立教大学全学部英語資格・検定試験利用型入試で活用
北海道大学全学部総合型選抜Ⅱで英語資格・検定試験のスコアを活用
東北大学全学部総合型選抜Ⅱ期で英語資格・検定試験のスコアを活用
名古屋大学全学部国際バカロレア型入試で英語資格・検定試験のスコアを活用
大阪大学全学部学部によって異なるが、英語資格・検定試験のスコアを活用
九州大学全学部総合型選抜で英語資格・検定試験のスコアを活用
早稲田大学国際教養学部、文化構想学部、文学部一部入試で英語資格・検定試験のスコアを活用

※各大学・学部の入試要項をかならず確認してください。

※学部や、推薦であるかどうか、などによっても変わります。

大学受験「英検・GTEC・IELTS・TOEIC・TEAP・ケンブリッジ英検」の違い

今回は多くの受験生が利用している英検を取り上げていますが、他にも外部英語検定は複数あります。大学によっては、英検以外の検定を認めている学校も多いので、ここでは簡単にそれぞれの検定の違いを見ておきましょう。

GTEC:スコア型の絶対評価による英語検定で、英検の次に多くの大学が採用している外部検定のひとつ。最近では特に中高生による受験率が高く、4技能(読む、聞く、話す、書く)を測定する総合的な英語能力試験です。

IELTS:IELTSは、アカデミックな内容と日常生活における英語力を測る試験で、特に留学や移住の際に必要とされます。リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4技能を評価し、スコアは1.0から9.0までの範囲で示されます。

TOEIC:TOEICは、主にビジネスシーンでの英語力を評価する試験です。リスニングとリーディングの「TOEIC Listening & Reading Test」が一般的で、スピーキングとライティングを測る「TOEIC Speaking & Writing Tests」もあります。多くの企業や大学で採用されており、実践的な英語コミュニケーション能力を測ることができます。

TEAP:TEAPは、日本の大学入試向けに開発された試験で、高校生が大学教育に必要な英語力を測定します。特に日本国内の大学で広く採用されています。

ほとんどの大学が英語外部検定としては、英検を取り上げているので他の検定をあえてめざす必要はありませんが、留学希望や帰国子女枠などでは必要なことがあります。

また、繰り返すようですが、英語学習は大学合格がゴールではなく、今後も必要とされる英語力アップのために行うものです。特に英語学科、国際系学部、英文学系などを志望するのであれば、こうした外部検定も余裕があれば受けておきたいですね。

TOEFL iBT :TOEFLは特に海外大学への留学を考えている場合に必須となることが多いです。アメリカの大学志望の場合、TOEFLのスコアを求められることが多いため、留学を視野に入れている学生には重要な試験となります。

ケンブリッジ英検:ケンブリッジ英検は国際的に認知された資格であり、さまざまなレベルが用意されています。特にビジネス英語やアカデミックな内容にも対応しており、多くの国々で受け入れられています。

英検対策と大学受験英語の学習法

英検対策と大学受験英語の学習は、多くの点で共通しています。英検は4技能(読む、聞く、話す、書く)をバランスよく評価するため、総合的な英語力向上に役立ちます。大学受験英語でも、長文読解や英作文など、これらの技能が求められます。

効果的な学習法としては、日々の英語学習に英検の過去問や問題集を組み込むことが挙げられます。これにより、語彙力や文法力を強化しつつ、実践的な英語力も身につけられます。また、リスニングやスピーキングの練習を通じて、大学入試で重視される英語の運用能力も向上させることができます。

英語力はこれからきっと役に立つ!

英検対策を通じて培った英語力は、大学受験だけでなく、将来の英語使用にも大いに役立つはず!

英検の級に合格することは、子どものモチベーションを高める要素にもなります。意欲が湧けば、自然と学力も伸びていくはずです。親としては、前向きに励ましながらサポートしていくことが大切です。子どもが自信を持って英語に取り組めるよう、一緒に学びのプロセスを楽しんでいきましょう。

とはいえ、英語が苦手という子も多いのは事実。そんな時こそ、苦手科目対策、英検に特化した検定対策を行っている家庭教師に相談してみませんか?

編集:オンライン家庭教師GIPS

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