大阪府や兵庫県など関西圏の中学受験における特徴や現状について、また、気になる人気校の特色と難易度を一覧表にまとめました。
- 大阪や兵庫など関西圏で中学受験を考えている
- 中学受験はまだ検討中だが関西における現状を知りたい
- 大阪や兵庫、奈良県など中学受験の情報を全体的に把握したい
そんな保護者の皆さまに参考となるような情報をまとめました。
大阪・兵庫・奈良(関西圏)中学受験の特徴
関西圏、特に大阪府・兵庫県・奈良県における中学受験は近年増加傾向にあり、東京と並ぶ激戦区として知られています。この地域では、浜学園をはじめとする中学受験に特化した大手塾が多数存在し、受験熱の高さを裏付けています。
関西圏の難関校の特徴として、3教科入試を実施する学校が多いことが挙げられます。しかし最近では、各校が独自性を打ち出すべく入試制度の多様化を図っており、東京などで増加している1教科入試を導入する学校も出てきています。
また、この地域の特徴として、統一入試日が設けられており、多くの学校の入試が2日間に集中する傾向があります。そのため、午後入試の導入により、1日に2校受験できるようになったことも大きな変化といえるでしょう。関西圏の中学受験は東京と同様に競争が激しく、受験生とその家族にとって、選択肢も広い分、志望校選びなどの悩みも多いようです。
関西御三家とは
中学受験の関西御三家は、「灘・洛南・東大寺」です。また、さらにエリアを広げて西の御三家と言われているのが「灘・ラ・サール・愛光」です。
なかでも灘中学校は毎年、東大合格者を大量に排出している超難関校です。全国で見ても、灘中学校は東大合格率では常にトップ3に入っています。そのため、灘中学校は関西圏のみならず、遠方からの志願者が多い特徴があります。
ちなみに関東御三家といえば「開成・麻布・武蔵」ですが、開成が一歩抜け出した状態で、新御三家のひとつ、渋幕(渋谷幕張中学校)の人気は、麻布や武蔵を超えるとも言われる勢いです。関西でも、灘中学校は別格として、西大和学園や甲陽学院を推す声もあります。甲陽学院は京大進学率が非常に高いことでも有名です。
御三家や新御三家というのは、あくまで中学受験市場において「わかりやすいトップランキング」の名称です。超難関校であることには変わりありませんが、受験の傾向は毎年変化するので常に新しい情報を得るようにしたいですね。
関西最難関中学トップ9とグランドスラム
関西最難関中学トップ9
- 灘
- 甲陽学院
- 神戸女学院
- 東大寺学園
- 西大和学園
- 大阪星光学院
- 四天王寺
- 洛南高等学校附属
- 洛星
関西圏の中学受験において、特定の難関校群を制覇することを「グランドスラム」と呼ぶ独特の文化があります。このグランドスラムの対象となる学校群は、灘中学校を頂点とし、洛南、洛星、東大寺学園、西大和学園、大阪星光学院、四天王寺、甲陽学院、神戸女学院の計9校で構成されています。
これらの学校は、いずれも偏差値70を超える関西圏のトップ校であり、複数校に合格することは非常に困難とされています。グランドスラムの達成は、中学受験界において一種のステータスシンボルとして認識されており、塾業界でも重要な指標となっています。たとえば、大手塾の浜学園が2024年入試でこれら9校全てでトップの合格者数を出し、グランドスラムを達成したことが話題となりました。
グランドスラムの概念は、関西圏の難関中学受験の特徴を象徴するものといえるのではないでしょうか。
関関同立など付属校人気の高まり
系列大学への進学がほぼ保証されていることから、大学付属校の人気は年々高まっている様子です。特に伸びているのが、関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)と近大(近畿大学)の附属です。
関関同立では、それぞれ系列の中学校が複数あります。なお、この中では関西大学附属系が多少、志望者数が減少していると言われています。理由はさまざまですが、いずれにしても附属校人気は今後も続くのではないでしょうか。
関西中学受験の「入試日程」
関西圏では、1月の統一入試日とその翌日に入試日程が集中しています。午後入試もすでに定着しており、1日に2校受験する受験生も少なくありません。
【最新版】大阪・兵庫・奈良(関西圏)の中学受験の現状
関西圏の中学受験率は少子化の中で増加傾向にあります。私立中学が多く、競争は激化する一方で、人気のある学校に受験生が集中し、逆に受験生を集められない学校も出てくるなど、二極化する傾向が見られます。
入試制度は従来から難関校における3科目受験が有名です。しかし、最近は、英語入試や自己推薦入試、思考力方入試など、入試スタイルは多様化しています。
共学では高槻中学校(大阪)がグローバル教育や先端サイエンス教育などにより高い評価を得て、ここ何年かを通じて難易度も上がっています。また、いわゆる中堅レベルでは、自主性を重んじ、アクティブラーニングや探究学習を積極的に取り入れている甲南中学校は、「学力が伸びる」学校として注目されています。
2025年度には、たとえば親和中は共学部が併設、また神戸山手女子中も男女共学校となります。共学化、新コースの導入、また入試様式や日程が若干変更される学校も多いので、志望校の候補となる学校の公式サイトをかならず確認しましょう。
大阪府の高校授業料無償化と中学受験
大阪府では、私立高校等の授業料無償化が始まります。所得制限を撤廃し、授業料を完全無償化することにより、中高一貫校に関して言えば「高校の授業料負担がなくなる」ために、より広い層が受験しやすくなると考えられます。このため、さらに中学受験率が高くなるのではないでしょうか。
大阪府・兵庫県・奈良県など(関西圏)「主な私立中学の特徴と難易度一覧表」
学校名 | 区分 | 学校の特徴 | 難易度 |
---|---|---|---|
灘中学校 | 男子校 | 全国トップの進学実績、理数教育に強み | ★★★★★ |
大阪星光学院中学校 | 男子校 | カトリック系、進学実績が高い | ★★★★★ |
四天王寺中学校 | 女子校 | 仏教系、伝統ある進学校 | ★★★★★ |
高槻中学校 | 共学 | 完全中高一貫制、自由な校風 | ★★★★★ |
甲陽学院中学校 | 男子校 | 兵庫県トップの進学校、少人数教育 | ★★★★★ |
東大寺学園中学校 | 男子校 | 奈良県トップの進学校、仏教精神に基づく教育 | ★★★★★ |
西大和学園中学校 | 共学 | 奈良県の難関校、国際教育に注力 | ★★★★★ |
神戸女学院中学部 | 女子校 | キリスト教主義、英語教育が充実 | ★★★★★ |
清風南海中学校 | 共学 | 仏教系、英語教育に力を入れる | ★★★★ |
関西大学中等部 | 共学 | 小中高一貫校、探究学習に注力 | ★★★★ |
明星中学校 | 男子校 | カトリック系、少人数制教育 | ★★★ |
大谷中学校 | 女子校 | 仏教系、きめ細かな指導 | ★★★ |
同志社香里中学校 | 共学 | キリスト教系、国際教育に力を入れる | ★★★★ |
近畿大学附属中学校 | 共学 | 大学附属、理系教育が充実 | ★★★★ |
帝塚山学院泉ヶ丘中学校 | 共学 | 英語教育に注力、ICT教育が充実 | ★★★ |
※難易度は偏差値や倍率等から推測しているもので、あくまで目安です。
大阪府・兵庫県の公立中高一貫校
大阪府の公立中高一貫校
- 大阪府立咲くやこの花中学校
- 大阪府立水都国際中学校
- 大阪府立富田林中学校
大阪の公立中高一貫校は3校で、すべて併設型(中高一貫教育、基本的に高校からの募集もあり)です。大阪府立咲くやこの花中学校は、中学入学時から「ものづくり(理工)」「スポーツ」「言語」「芸術」と分野別学習を行っており、非常に特色のあるカリキュラムとなっています。
兵庫県の公立中高一貫校
- 兵庫県立芦屋国際中等教育学校
- 兵庫県立大学附属中学校
兵庫県の公立中高一貫校は2校ですが、芦屋国際では適性検査はなく、作文と面接という少し特殊な入試スタイルとなっています。「国際」と名前がついている通り、出願資格も、外国人児童や帰国子女、あるいは留学や海外での生活をめざす生徒を対象としています。
関西圏の中学受験はますます激化するかも?
大阪府の高校無償化の影響は、中学受験にも大きく影響すると思われます。中学受験はゴールではなく、その後は私立中学+私立高校の学費が必要です。単純に3年間で約300万必要だとすれば、これまで高校までの教育費として600万円、加えて塾の費用等もあるわけで、一定以上の年収がないと難しい面がありました。しかし、所得制限を撤廃しての高校無償化ですから、これまで「ギリギリ、中学受験できるけど、やっぱり苦しいな」と迷っていた家庭にとっては、高校の学費負担がなくなる(ちなみに私立高校は、授業料以外の費用もいろいろとかかるので、お金がまったくかからないわけではない)ことは大きな決断要素となります。
そもそも中学受験の激しいエリアでもあるので、より慎重な志望校選びが重要になってくるでしょう。
編集:オンライン家庭教師GIPS
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