計測アプリというと、メジャー代わりになるアプリを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際には、角度や水平、照度、音、速度や磁場まで、スマートフォン一つでさまざまなものを測ることができます。
スマートフォンにはカメラやマイク、加速度センサー、磁気センサーなどが搭載されており、身の回りの現象を気軽に測定できる道具になるのです。
この記事では、メジャー代わりに使える基本的なアプリから、角度・水平の測定、さらに照度・音・速度・磁場といった体験して面白い計測アプリまで幅広く紹介します。測定を通じて、日常を新しい視点で楽しんでみましょう。
長さ・距離の計測アプリ
計測アプリのなかでも人気なのが、長さや距離を測るツールです。定規やメジャーがなくても、スマートフォンのカメラ機能や画面そのものを利用することで、概算の数値が分かります。
数メートルの家具を測るのか、数センチの小物を測るのか、あるいは地図上のルートを調べたいのかによって適したアプリは異なります。ここでは、日常のさまざまな場面で役立つ4つのアプリを紹介します。
計測【iPhone標準】

計測は、iPhoneやiPadに標準で搭載されているアプリです。AR(拡張現実)技術を使い、カメラで映したものをリアルタイムに測定できます。ARメジャーとも呼ばれます。
使い方はとてもシンプルです。アプリを起動したら、測りたいものを映しながら上下左右にゆっくり動かします。画面上に円マークが表示されたら、測定の準備は完了です。
四角形の物体は、認識されると自動的に点線で囲まれます。点線の内側をタップすれば、縦横の長さが表示されます。
四角形以外の長さは、開始位置に円の中心を合わせて「+」をタップし、終了位置まで移動させて再度「+」をタップすることで測定できます。
家具の配置確認や、荷物のおおよそのサイズを知りたいときなど、ざっくりとした測定に便利なアプリです。
距離測定器:Smart Measure【Android】

距離測定器:Smart Measureは、離れた場所にある対象物までの距離や、対象物の高さ・幅を測れるアプリです。
スマートフォンのカメラの角度と、地面からの高さを元に、三角比の原理を使って距離と高さを算出する仕組みです。画面に表示されるガイドを、対象物の足元にぴったり合わせて撮影すると、誤差が少なくなります。測定前には、スマートフォンを構える高さをアプリに入力して補正を行いましょう。
大きな家具のサイズ、人の身長、建物までの距離といった計測に適したアプリです。
定規 【Android】

定規は、スマートフォンの画面がそのまま定規になるアプリです。画面上に目盛りが表示されるため、数センチ程度の小さいものを測る際に便利です。
スマートフォンの画面サイズは機種ごとに異なるため、最初に校正(キャリブレーション)を行いましょう。アプリの指示に従って手持ちの定規を画面に合わせ、目盛りの間隔を調整します。一度正しく校正を行えば、本物の定規と遜色ない精度で利用できるようになります。
小ねじのサイズ確認や、文房具やアクセサリーの大きさなど、小物のサイズをすぐに確認したいときに重宝するアプリです。
キョリ測【iPhone/Android】

キョリ測は、地図上の距離を測りたいときに便利なアプリです。地図上をタップしてポイントを指定していくと、そのルートの総距離や所要時間を算出してくれます。
単に距離を測るだけでなく、歩行、自転車、自動車といった移動手段ごとの所要時間も分かります。また、消費カロリーの計算機能や、ルートの高低差をグラフ化する機能も備わっています。
通学路の距離を確認したり、ジョギングコースを計画したりする際に役立ちます。また、高低差が分かるため、坂道の多いルートを避けるといった工夫も可能になり、地図を眺めるのが楽しくなるアプリといえます。
角度・水平の計測アプリ
ここでは、スマートフォンを分度器や水準器として利用できるアプリを紹介します。スマートフォンには、本体の傾きを検知する加速度センサーやジャイロセンサーが内蔵されており、アプリはこれらのセンサーを読み取ることで、角度や水平を算出します。
ポスターを水平に貼りたいときや、DIYで家具を組み立てるとき、学校の課題で角度を調べるときなど、さまざまなシーンで活用できます。
Rul3r【iPhone】

Rul3rは、iPhoneのセンサー機能を詰め込んだマルチ計測アプリです。角度を測る分度器機能や、重力の方向を基準に垂直を確認する「下げ振り」、平面の傾きを測る「水準器」などが一つにまとまっています。
さらに、画面に定規を表示する機能や、周囲の騒音レベルを測る「デシベル計」、現在地の「標高・気圧」の測定機能も搭載されており、これ一つで身の回りのさまざまな環境変化を数値化できます。画面デザインも洗練されており、道具箱を持ち歩いているような感覚で楽しく計測が行えます。
分度器:Smart Protractor【Android】

分度器:Smart Protractorは、角度と傾斜の計測に特化したAndroid向けアプリです。
角度計測では、画面の分度器に対象物を置いて測定する「タッチモード」と、カメラで撮影した画像から角度を割り出す「カメラモード」があります。カメラモードは傾斜の測定と併用でき、離れた屋根の傾斜や、坂道の角度などを測る際に便利です。
傾斜の測定では、画面におもりと垂直線が表示されます。スマートフォンを傾けることで、直感的に角度を知ることができます。
その他の計測アプリ|音・光・速度・磁場
スマートフォンのセンサーを活用すれば、音の大きさ、光の明るさ、速度、磁場といった多彩な測定が可能です。これらは実用的な場面だけでなく、知的好奇心を刺激する体験としても楽しめます。それぞれの測定の仕組みは以下のとおりです。
- 音:内蔵のマイクが空気の振動を捉えることで、音の大きさ(デシベル)や周波数を算出できます。
- 光:画面の明るさを自動調整するための照度センサーにより、周囲の明るさ(ルクス)を測定できます。
- 速度:GPSや加速度センサーを組み合わせることで、リアルタイムの移動速度や速度の変化を計測できます。
- 磁場:地図アプリで方角を知るための磁気センサー(電子コンパス)で、磁石や金属、電気回路から発生する磁力を検知できます。
ここでは、さまざまな計測に対応できるアプリを紹介します。
Smart Tools 2【Android】

Smart Tools 2は、Android向けのオールインワンの計測アプリです。長さ、距離、角度といった基本機能に加え、騒音計、照度計、コンパス、地震計など、合計21種類のツールが一つに集約されています。
こちらの統合版は有料(執筆時点で750円)ですが、開発元からはそれぞれの機能を単体で搭載した無料アプリも多く公開されています。「騒音計を試してみたい」「コンパスに興味がある」といった場合には、リンク先から個別の無料版を探すと良いでしょう。スマートフォンのポテンシャルの高さを一気に体感できるアプリです。
Phyphox【iPhone/Android】

Phyphoxは、ドイツのアーヘン工科大学の研究室が開発した、スマートフォンで本格的な実験ができる計測アプリです。データ分析ツールを搭載しており、スマートフォンのさまざまなセンサーから取得したデータを分析できます。
たとえば、スマートフォンを振り子のように揺らして重力加速度を算出したり、ドップラー効果を利用して物体の移動速度を解析したりといった、理科の教科書に出てくるような現象を自分の手で数値化できます。操作画面はシンプルですが、取れるデータは本格的です。
高度な計測や物理法則に興味を持ったなら、ぜひ一度試してみたいアプリです。
計測アプリの知っておきたい注意点
計測アプリは非常に便利ですが、あくまでスマートフォンの汎用センサーを利用したものであり、いくつかの限界や注意点があります。計測アプリを適切に活用するポイントを紹介します。
校正が必要な場合がある
校正とは、アプリの指示に従って特定の計測を行い、測定誤差を補正する作業です。たとえば画面を定規にするアプリでは、機種によって画面サイズが異なるため、実物の定規と照らし合わせることで精度が向上します。
磁気センサーや加速度センサーも、周囲の環境やスマートフォンの個体差によって、微妙な狂いが生じることがあります。正確なデータを得るためには、使い始める前にアプリ内の指示に従って校正を行いましょう。
誤差が出やすい状況がある
計測アプリの精度は、使用環境や測定対象、端末の性能によって変わります。
たとえばARメジャーは、iPhoneと対象物が遠すぎる場合や、斜めから計測した場合は誤差が大きくなる傾向があります。また、球体や反射するもの、周囲とのコントラストが少ないもの、暗い場所での計測には不向きです。
照度の測定では、スマートフォンの照度センサーの位置を意識しましょう。多くの場合、画面の上部やカメラ付近に配置されています。センサーを指で隠してしまったり、センサーの向きが光源から少し逸れたりするだけで、数値が極端に変わります。
デシベル(音の大きさ)に関しては、非常に高い音や低い音、あるいは非常に大きな音を測定する場合に、マイクの性能が限界になることがあります。スマートフォンのマイクが検出できる周波数範囲や音圧レベルは、機種によって異なります。
磁場の測定では、近くに磁石や鉄製品、家電製品などがあると、方位や磁力が正しく表示されないことがあります。マグネット付きのスマートフォンケースを使っている場合は、ケースから出すと精度が上がる可能性があります。
以上の点に気をつけても、誤差は完全にはなくせません。正確な測定が必要な場面では、用途に合った測定器を使うことをおすすめします。
スマートフォンは計測器の宝庫
ここまで、長さや角度、さらに音や光、磁場まで計測できるアプリを紹介してきました。スマートフォン一台で多彩な計測ができることに、驚かれた方もいるのではないでしょうか。
高い精度を求める場合は専用の測定器が必要ですが、おおよその数値を知りたいときには、計測アプリは十分に実用的です。ぜひ気になるアプリをインストールして試してみてください。
また、計測アプリはスマートフォンの内蔵センサーの働きを体験する手段にもなります。計測に興味を持ったら、センサーが働いていることを想像しながら使うと、より面白さが広がるでしょう。
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