お子さまの中学受験を検討されている保護者の方なら、「うちの子は中学受験に向いているのだろうか」と悩まれるのは珍しいことではありません。

このコラムでは、中学受験に「向いている子」の特徴と、「向いていない」と思われがちな子どもたちへのアドバイスをご紹介します。

中学受験に向いている子って?

「中学受験に向いている子」という表現をよく耳にしますが、実は「絶対に中学受験に向いていない子」というのは存在しないと言えます。ある特徴を持つ子どもたちが、比較的ストレスを感じにくく受験をのりこえやすい、というプラス面での「向いている」という意味合いなのです。

つまり、どのような個性や性格の子どもでも、その子に合った勉強方法と適切な志望校選びができれば、中学受験は基本的に誰でも挑戦できるものなのです。

それはそうなんだけど、でも現実的には中学受験に向き不向きってあるようにも思う。

向き不向きよりも、前述したように、中学受験を乗り越えやすいタイプはある、ということです。では、どんなタイプが中学受験に「プラス面で向いている」のかを次で見ていきましょう。

中学受験に向いている子どもの特徴5つ

次のような特徴を持つお子さまは、中学受験に比較的取り組みやすいと言えます。

  • 知的好奇心が旺盛である
  • 将来の夢や目標を持っている
  • 精神年齢が高く、自立している傾向がある
  • 忍耐力と体力がある
  • 素直に指導を受け入れられる

【中学受験に向いているタイプ】知的好奇心が旺盛である

新しいことを知ることが好きで、「なぜ?」「どうして?」という疑問を持ちやすい子どもは、中学受験の学習にスムーズに取り組めます。

算数の文章題や理科の実験、社会科の歴史など、中学受験で問われる深い思考力や、物事の原理・原則への興味を活かすことができるためです。受験勉強を単なる暗記ではなく、楽しみながら取り組める原動力となります。

こういう子って、小さい頃から『なんで?』『どうして?』と親に問いかけまくって、親の方がうんざりしちゃった……なんてことがありそう。

新しいことを知る、わかるようになることが面白い、楽しいと感じる子は比較的、勉強が苦にならない=受験に取り組みやすいということですね。

【中学受験に向いているタイプ】将来の夢や目標を持っている

具体的な夢や目標を持っている子どもは、なぜ中学受験をするのかという意味づけがしやすく、モチベーションを保ちやすい傾向にあります。

たとえば「医者になりたい」「研究者になりたい」といった夢は、受験勉強を頑張る理由としてわかりやすく、苦しい時期も乗り越える力になります。そこまで明確でなくても、見学した学校が好きになり「あそこに行きたい」と強く思うことも目標となるでしょう。さまざまな事情から「地元の公立中学には行きたくない」というのも、中学受験をがんばろうという目標にはつながります。

ちなみに「親が言うから◯◯中学に行く」は目標というのとはちょっと違うかも……。

親から勧められたことであっても、自分なりの目標があれば、中学受験で出現するかもしれないハードルは飛び越えていけるのではないでしょうか。

【中学受験に向いているタイプ】精神年齢が高く、自立している傾向がある

自分で考えて行動できる、時間管理ができる、やるべきことがわかっているなど、精神年齢が高めの子どもは中学受験に向いています。これは、計画的な学習や自己管理が求められる受験勉強において大きな強みとなります。

小学生はそれこそ、十人十色、まだまだ幼い子や純粋なタイプもいれば、客観的に自分を見つめられる子もいます。

他の子と比べて「なんだか、ウチの子は幼いなぁ」なんて思うこともあるかもしれないですね。でも、時間管理などは、大人が最初は一緒に行ってあげて、少しずつ身につけていくこともできます。

【中学受験に向いているタイプ】忍耐力と体力がある

長時間の学習や繰り返しの演習に耐えられる忍耐力、そして体力のある子どもは、中学受験で有利です。特に受験直前期は学習量が増えるため、体力的な余裕が重要になってきます。

中学や高校に入って急激に体力もつき、一気に成長を遂げる子もいます。中学受験では週3日+土日も補習といったスケジュールも一般的。もし体力的に無理がある場合には、高校受験へと切り替えてもいいでしょうし、たとえば、通塾の必要がない家庭教師やオンライン授業を活用して、疲労感を軽減させる勉強法もあります。

しっかり食事をして、きちんと睡眠をとる。生活習慣が体力にもつながるので、これは小さい時から親が導いてあげたいことのひとつです。

【中学受験に向いているタイプ】素直に指導を受け入れられる

先生や家族からのアドバイスを素直に受け入れ、実践できる子どもは、効率よく学習を進められます。これは、中学受験の学習では新しい考え方や解き方を多く学ぶ必要があるためです。

ただし、ここでいう「素直さ」は盲目的な従順さではなく、必要な質問をしたり、自分なりの理解を深めたりする姿勢も含みます。

さて、いくつかポイントをあげてきましたが、全部をクリアーしていないと「中学受験に向いていない」わけではありません。ひとつかふたつの特徴があれば、それを活かした学習方法を見つけることができます。あくまで、上記は「こういう面があると、中学受験に取り組みやすいですよ」というプラスの特徴であることを忘れないでくださいね。

「中学受験に向いていない」と思っても大丈夫!具体的な対策とアドバイス

よく保護者の方から「うちの子は中学受験に向いていないのでは?」という不安の声が聞かれます。具体的にどのような対策が効果的なのでしょうか。

学習への興味が薄い場合

  • まずは子どもの好きな分野から学習をスタート
  • 具体的な目標を一緒に設定
  • 褒める機会を意識的に増やす

学習への興味は、適切なアプローチで育てることができます。特に中学受験では、算数の図形や理科の実験、社会科の歴史など、子どもが興味を持ちやすい分野が数多くあります。歴史マンガを読んだり、子どもにとって興味深い理科実験の体験教室に参加したり、数字やパズル問題に挑戦し親子で競争したりする、学びへの入口はたくさんあります。

最初は「勉強」という枠にとらわれず、好きなことから学びのきっかけを作ることで、少しずつ他の分野への興味も広がっていきます。大切なのは、子どもの「やってみたい」という気持ちを大切にすることです。

集中力が続かない場合

  • 短時間での学習から始める
  • 休憩時間を適切に設ける
  • 学習環境の整備を工夫する

集中力は、トレーニングによって確実に伸ばすことができます。多くの子どもは、最初から長時間の学習に耐えられるわけではありません。10分、15分という短い時間から始めて、少しずつ集中できる時間を伸ばしていくことが効果的です。

その日の体調や気分に合わせて柔軟に学習時間を調整することで、無理なく集中力を育てることができます。

プレッシャーに弱い場合

  • 小さな目標から始める
  • 成功体験を積み重ねる
  • 失敗を恐れない環境作り

プレッシャーへの耐性は、段階的な経験を通じて着実に身についていきます。

多くの受験生は最初、テストや模試に強い不安を感じますが、繰り返し経験することで徐々に慣れていきます。

重要なのは、結果だけでなく努力のプロセスを評価し、たとえ望む結果が出なくても、そこから学べることを見つける姿勢です。この経験は、受験後の学校生活でも大きな財産となります。

中学受験に向いている・向いていない「親の固定観念を見直そう」

保護者の方が「うちの子はこういうタイプ」と思い込んでいても、実際には想像以上の可能性を秘めているケースが数多くあります。

特に、塾の先生や家庭教師など第三者の視点で、お子さまの新たな一面や才能が発見されることも少なくありません。

中学受験をさせたい明確な理由や目的がおありでしたら、お子さまの現在の様子だけで判断せず、将来の可能性も含めて総合的に検討してみましょう。

「うちの子はきっと無理」「向いていないよね」といった気持ちからスタートせずに、「うちの子はこんな能力がある」「こういう力を持っている」とプラス面を数えながら、考えてみては?

ついついわが子のできないことばかりが目につくものだけど、どんな小さなことでもいいから良い面から数えるようにしたいですね!

うちの子「中学受験に向いている?」家庭教師のプロきよみず先生が答えます!

プロ講師
きよみず先生

YouTubeチャンネル「家庭教師のきよみずくん」にて教育ノウハウを発信。現役のオンライン家庭教師として中学受験の算数を指導。

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Q1:失敗体験や成績がアップしないといったことに、すぐに落ち込みやすく、いじけがちなうちの子は、中学受験を耐えられるのか不安です(小4男子の保護者)

きよみず
先生

落ち込みやすい性格でも、それを糧に頑張れる子かそうでない子かですよね。

もし前者であれば、それは偏差値至上主義の中学受験では圧倒的にプラスになります。

後者の場合は、しっかりステップを踏んでくれるような塾や、個別指導塾に通うなど対策をしていく必要がありますね。

いずれにせよ、成長に伴い失敗への向き合い方も変わってきますので、その機を待って高校受験に切り替えるということも選択肢に入れてもいいでしょう。

Q2:成績は小学校のカラーテストで平均80点程度。中受する子は100点をとるのが普通といわれているようだけど、うちの子は中学受験に向いていない?(小5女子の保護者)

きよみず
先生

志望校によって話は変わってきますが、中堅校以上を目指す場合には難しいでしょう。

小5時点の学校のカリキュラムは大手塾では4年生時点で優に終えています。よって大手塾のライバルと戦わなければならない中堅校以上のフィールドは厳しいです。

一方で偏差値を問わないということであれば、やさしい入試問題の学校に絞って対策を進めることで十分に合格を狙うこともできます。「中学受験」と一括りにせずに様々な選択肢を検討してみてください。

Q3:コツコツ勉強はするのですが、とにかく本番に弱いようです。外部テストを受けようとしたら前日の夜から緊張して眠れない様子でしたし、試験場に向かう間、ずっと「無理、きっとダメだ」みたいに言います。中学受験には向いていないでしょうか?(小6男子の保護者)

きよみず
先生

普段、プレッシャーを感じない子でも受験当日は緊張するものです。

模試は現在のレベルを知るためにも重要ですが、試験を受けて「慣れる」ことも目的のひとつ。何回か模試を受けると、試験本番の雰囲気にのまれることは少なくなるはずです。

本番に弱いというのは思い込みもありますよ。親が「うちの子は本番に弱い」と不安になると子どもも不安になるもの。親以外の第三者、塾や家庭教師の先生に「大丈夫」と繰り返し言ってもらうことで、試験当日に向けての自信もついてきます。

中学受験は子どもの可能性を広げるチャンス

「向いている、向いていない」という二元論で中学受験を判断するのではなく、お子さまの個性や特徴を活かした受験方法を見つけることが大切です。たとえ現時点で「向いていない」と感じる要素があっても、それはきっと克服可能な課題であり、むしろ受験を通じて成長するチャンスととらえることができます。

中学受験はゴールではなく、お子さまの可能性を広げるためのひとつの選択肢です。保護者の方の不安な気持ちはよくわかりますが、まずは前向きな気持ちでお子さまと一緒に中学受験について考えてみてはいかがでしょうか。

編集:オンライン家庭教師GIPS

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