東京都の中学受験の特徴や現状について、また、気になる人気校の特色と難易度一覧表をまとめました。

  • 東京都の中学受験の現状や人気校の特色・難易度を把握したい人
  • 東京都の私立中学の特徴や教育内容に関心があるが、どこから情報を集めればよいか悩んでいる人
  • 中学受験について検討をし始めた首都圏の保護者や家庭

この記事では、「中学受験の初心者である保護者の方」向けに、東京都内の中学受験を網羅的に、かつ、わかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。

東京都中学受験の特徴

東京都の中学受験は、全国的に見ても非常に競争が激しいことが特徴です。

人気の私立中学校は倍率が高く、合格するためには早めの準備と高い学力が必要とされます。一方でレベルはそこまで高くはないものの、特色ある教育を行う学校も数多くあり、選択肢が非常に広いことが特徴といえます。

そのため、それぞれの学校の特性を比較検討し、お子さまに合った学校を選ぶことが大切です。

さらに、東京都では、中学受験塾(進学塾)が数多く存在することも特徴のひとつと言えるでしょう。塾や家庭教師、個別指導などを適切に選ぶ必要があります。

では、さらに細かく「東京における中学受験」の特徴を見ていきましょう。

東京都の中学受験は競争が激化している

東京都の中学受験率は非常に高く、小学6年生の約5.5人に1人が私立・国立中学を受験しているといわれています。

2024年度入試では受験率が18%を超え、過去最高を記録しました。人気の私立中学校は、倍率が10倍を超えることも珍しくありません。

東京での中学受験は、倍率の高い学校が多く、合格するためには万全の準備が必要です。

早期化する受験対策

以前は小3の2月(小4にあがる直前)から中学受験勉強を本格的にスタートするのがスタンダードとされてきました。

しかし、年々、中学受験対策を前倒しにする傾向があり、最近では小学校低学年から準備を始めるケースも少なくありません。

特に東京は中学受験率が高いため、塾に通ったり、家庭教師をつけたりと、早い段階から受験対策に取り組むことが一般的になりつつあります。

子どもが「中学受験したい」と言い出すケースも少なくない

中学受験は「親子で行うもの」といわれ、受験をするかどうかも親が主導するのが一般的です。

しかし、都内の公立小学校の一部は、中学受験をする子の割合が高く、中には半数に迫るところも。早くから周りの子も塾に通ったり家庭教師についていたりして、そうした環境では子ども自身が「中学受験しようかな〜」などと言い出すケースも決して少なくありません。

これは、周りの友だちが受験するという状況に影響され、子どもたちが自然と中学受験を意識するようになる、都心部ならではの現象と言えるでしょう。

子どもは単純に「仲良しのみんなが受験するから」「周りが受験塾に通い始めたから」といった理由で、中学受験を言い出すこともよくあります。

受験に限らずですが、子どもが自分の“これから”について話だしたら、いったん座って、ゆっくり話を聞いてあげたいですね。

とはいえ、共働きだったり、兄弟姉妹の世話があったりで、なかなか、子どもと向き合える時間がないのが悩みのタネでもあるのですが……。

東京都の中学受験|入試日程

東京都では、毎年2月1日から一般入試が開始します。ほとんどの学校が、2月1日から1週間以内、主に1日〜6日までに集中しています。最近は午後入試や二次募集、三次募集もあるため、入試日程と志望校選びがより複雑になっています。また、東京都よりも早く入試が始まる埼玉県や千葉県の受験をする生徒も非常に多いです。

多様な学校選択

伝統校から進学校、国際バカロレアコースのある学校など、東京都には多種多様な私立中学校が存在します。

大学への内部進学が確約されている学校や、きめ細やかな指導で予備校に通わずとも大学受験に対応できる学校、さらには、スポーツや文化活動に特化している、あるいは新しい教育理念を取り入れている学校など、幅広い選択肢があります。

多様な選択肢の中から、子どもたちの個性や将来の目標に合った学校を選ぶことができるということが、東京の中学受験の特徴と言えるでしょう。

【最新版】東京都の中学受験の現状

東京の中学受験では、「超難関校から東大へ」という受験スタイルだけでなく、いわゆる「中堅校」と呼ばれる、偏差値が中程度の学校を選ぶ受験生が増えています。

少子化の影響もあり、これらの学校の中には、独自のカリキュラムや特徴的な教育を行い、手厚いサポートを提供しているため人気を集めているところもあります。また中学での偏差値はさほどではないけれども、高校の偏差値は高く、大学進学実績もあるような学校は「お得校」などと呼ばれ、このような学校をめざすケースもよく見受けられます。

大学受験を見据えて、付属中学を目指す受験生も少なくありません。

付属中学は、内部進学の制度があるため、大学受験の準備を比較的安心して行えるというメリットがあります。ただし、内部進学率や選抜基準は学校によって異なるため、事前にしっかりと確認する必要があります。

近年では、内部進学枠の拡大により、志願者数を大きく伸ばしている学校もあります。

たとえば、香蘭中学は立教大学への内部進学枠を大幅に増加したため、一気に人気が高くなり、偏差値も急激に上昇しました。

「日本学園中学校・高等学校」は、明治大学の系列校となり、2026年からは名称も明治大学付属世田谷中学・高等学校になることが発表されています。日本学園と聞いてもピンとこない保護者の方もいるかと思いますが、GMARCHでも人気の高い明治大学への内部進学枠(約7割をめざしている)ができたことで、大きく志願者数を伸ばしています。

同様に、三輪田学園は附属ではありませんが、法政大学と連携、また東京女子大学・津田塾大学とも新たに高大連携を結び、協定校推薦枠が増加順天中学校・高等学校は2026年度より北里大学の附属校となり、内部進学も始まるとされています。

東京や首都圏は学校数も多く、少子化対策として試験内容を大幅に変更したり、コースが増設されたり、毎年さまざまな変更や変革が行われています。そのため、最新の情報をしっかりと把握することが大切です。塾の情報を参考にするだけでなく、学校の公式サイトを丁寧に確認するなど、積極的に情報を収集するようにしましょう。

*学校法人日本学園と系列校連携に関する協定を締結/明治大学公式サイト

*三輪田学園高大連携プログラム協定校について/三輪田学園公式サイト

*学校法人順天学園の法人合併のお知らせ/順天中学校・順天高等学校公式サイト

中学受験|御三家・新御三家とは

中学受験で一度は耳にする「御三家」ですが、いわゆる男子御三家が「開成・麻布・武蔵」です。女子御三家が「桜蔭・女子学院・雙葉」です。

さらに「新御三家」も一般的になっています。

男子新御三家は「駒場東邦・海城・巣鴨」で、女子新御三家は「豊島岡女子・鷗友学園・吉祥女子」です。

東京都「主な私立・国立中学の特徴と難易度一覧表」

学校名男女別特徴難易度
開成中学校男子校東大合格者数トップ、進学実績抜群★★★★★
麻布中学校男子校理数教育に強み、国際教育も充実★★★★★
渋谷教育学園渋谷中学校共学グローバル教育に力を入れる、難関大学実績も多数★★★★★
女子学院中学校女子校英語教育が充実、難関大学進学実績多数★★★★
筑波大学附属駒場中学校男子校理数教育が強く、研究熱心な校風★★★★★
早稲田実業学校男子校生徒のほとんどが早稲田大学に推薦入学★★★★
慶應義塾中等部男子校慶應義塾大学への内部進学が可能★★★★
桜蔭中学校女子校東大女子合格者数トップクラス★★★★
雙葉中学校女子校カトリック教育、品格ある女子教育を行う進学校★★★
海城中学校男子校文武両道、難関大学への進学実績を大きく伸ばしている★★★★★
豊島岡女子学園中学校女子校進学実績優秀、きめ細かい指導、女子新御三家のひとつ★★★★★
武蔵中学校男子校リベラルアーツ教育、自由な校風★★★★
広尾学園中学校共学昨今人気が高いグローバル校、海外大学への実績も多数★★★★
青山学院中等部共学キリスト教主義教育、青山学院大学への内部進学が可能★★★★
立教池袋中学校男子校英語教育に強み、立教大学内部進学が可能★★★★
中央大学附属中学校共学中央大学への内部進学が可能★★★★
明治大学付属明治中学校共学明治大学直属の付属校で9割が明治大学へ進学★★★★
芝中学校男子校名門校のひとつ、進学実績も高い★★★★
東京都市大学付属中学校男子校理数教育に強み、グローバル教育も充実★★★
巣鴨中学校男子校進学実績が高く、伝統と実績のある学校★★★
鷗友学園女子中学女子校女子新御三家、英語・国際理解教育に力を注ぐ★★★★
吉祥女子中学女子校女子新御三家、東大/医学部合格実績を伸ばしている★★★★

※難易度は偏差値や倍率等から推測しているもので、あくまで目安です。

東京は私立中学の数が非常に多いため、ここでは一部のみを紹介しています。最終的な志望校は塾などと相談しながら決めることになるでしょうが、「中学受験ってどうなのかな?」というスタート地点では、まず居住地から通える範囲の学校公式サイトをひとつずつ、チェックしてみましょう。中学受験はじめの一歩は、親が学校や受験の仕組みについて調べて学ぶことから、です。

わたしもいろいろな学校のHPをチェックしましたが、施設が充実しているな、とか、部活が盛んそうだ、制服も素敵だな、とか最初はそんな程度の感じで見ていました。

けっこう、いろいろな発見もあるので、受験についてはまだまだこれから、という方は、そんなところからスタートしてはいかがでしょう?

東京都の公立中高一貫校

東京都の公立中高一貫校

  • 千代田区立九段中等教育学校
  • 東京都立桜修館中等教育学校
  • 東京都立大泉高等学校附属中学校
  • 東京都立小石川中東教育学校
  • 東京都立白鴎高等学校附属中学校
  • 東京都立立川国際中等教育学校
  • 東京都立富士高等学校附属中学校
  • 東京都立三鷹中東教育学校
  • 東京都立奥多摩中東教育学校
  • 東京都立武蔵高等学校附属中学校
  • 東京都立両国高等学校附属中学校

都立中高一貫校の中学受験は特化した対策が必要

東京都の公立中高一貫校の倍率が低下していると言われています。2015年あたりでは、平均して7倍近くあった倍率が、2024年では平均でおおよそ4倍、そして4倍を下回る学校もあります。

大きな要因のひとつとして、高校の授業料無償化が始まることで、これまでのように「教育費を抑えて中高一貫校に通える」メリットが感じられなくなったことが挙げられます。それ以外にも少子化の影響や、都立中の併願はできない(私立との併願は可能、都立中は1校のみ受験)、一般的な受験勉強では対応できない特殊な適性検査であることなど、さまざまな要素がからんでいると思われます。

いずれにしても、倍率が下がったところで難易度は依然として高く、めざすのであれば都立中高一貫校に特化した受験勉強が必要です。

中学受験は大きな決断だから

東京の中学受験は、多様な選択肢があり、お子さまの個性やご家庭の価値観に合わせた学校選びができます。

そもそも中学受験をすべきかどうかで、悩む人は珍しくありません。家族でよく話し合い、子どもの気持ちも受け止めながら、判断することになるでしょう。とはいえ、早め早めに親が情報収集をし準備をしておくことは必要です。

中学受験は、保護者の方にとっても大きな決断ですから、悩んで当然です。お子さまの個性や将来の夢を考えながら、最善の道を選べるといいですね!

参考:
【入試概況レポート】2024年中学入試総括レポート/コアネット教育総合研究所
都立中高一貫教育校/東京都教育委員会ホームページ

編集:オンライン家庭教師GIPS

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