中学受験で高得点を得るためには、漢字の学習が欠かせません。

漢字は単なる暗記科目ではありません。四字熟語や慣用句を学ぶことで、語彙力だけでなく、文章を読み解く力や表現力も養われます。

漢字をマスターすることは、国語力全体の底上げにつながり、中学受験合格への大きな一歩となるでしょう。この記事では漢字の効果的な学習方法を紹介します。

中学受験国語の「漢字」対策はなぜ重要なのか

  • 漢字がきちんと読める・書けるかは他科目にも影響する
  • 近年増えている記述式問題でも正しく漢字が書けるかは重要
  • 得点しやすい漢字問題は点数の底上げになる

漢字力は、国語力全体ひいては中学受験全体の基礎となります。

漢字の学習は、単に国語の成績向上だけでなく、他の教科の学習にも良い影響を与えます。たとえば、社会科の人物名や地理の単語、理科の専門用語などを正しく理解するためには、漢字の知識が不可欠です。出題によっては正しい解答でも、漢字が間違っていると減点される場合もあります。

また、記述問題では、正確な漢字で自分の考えを表現することが求められます。語彙力を支える漢字知識が不足していると、稚拙な文章と捉えられたり、減点されてしまったりする可能性があります。

確かに、漢字問題は入試問題全体で見ると大きな配点ではありません。しかし、中学受験では、わずかな点数の差が合否を分けることもあります。

漢字は、継続して学習することで確実に力をつけることができる分野です。つまり漢字は国語の試験で「得点源」になります。たとえば、漢字問題が10点分だとしても、合格平均が65点と仮定したら、漢字で着実に10点を獲得することが大きな意味を持ちます。

取れるべき問題できちんと点数を得られるように、コツコツと漢字学習を積み上げていきましょう。

中学受験の漢字克服!効果的な学習法4つのポイント

①短時間学習の継続がカギ

②繰り返しと復習のループで定着を

③漢字だけでなく四字熟語なども学ぶ

④新聞や時事問題コラムを読み語彙を増やす

①短時間学習の継続がカギ

毎日少しずつ、短い時間でもよいので漢字学習を継続することが大切です。これが基本中の基本です。スキマ時間を使って漢字ドリルやプリントを毎日行い、習慣化できるような工夫をしましょう。

毎朝、漢字ドリルやプリントを10分間行う、夜寝る前には漢字辞典を手にして1ページを暗記するつもりで読む、など、ちょっとした時間を上手に活用できるといいですね。

②繰り返しと復習のループで定着を

一度覚えたつもりでも、時間がたつと忘れてしまうことがあります。そのため、定期的に復習することが重要です。間違えた問題や苦手な漢字は、何度も繰り返し書くことで記憶に定着させましょう。

大切なのは、復習です。漢字ドリルをひたすら進めるだけでなく、一定の期間をおいて、同じ問題に再び取り組むよう、保護者が気をつけてあげましょう。

③漢字だけでなく四字熟語なども学ぶ

漢字だけでなく、四字熟語や慣用句、同音異義語も合わせて学習することで、語彙力と表現力が大幅にアップします。

四字熟語や慣用句は、文章を書く際に使えたり、読解問題のヒントになったりするため、中学受験で高い得点獲得につながります。漢字と同時に熟語や慣用句も学習計画に取り入れてみましょう。

④新聞や時事問題コラムを読み語彙を増やす

新聞や時事問題コラムを読むことは、漢字学習だけでなく、語彙力向上にもつながります。ふだん使わない難しい言葉に触れることで、語彙の幅が広がり、読解力もアップします。

読めない・意味がわからない漢字や単語が出てきたら、漢字辞典や国語辞典を利用して内容を確かめるよう習慣づけするのがおすすめです。

中学受験の漢字は「エビングハウスの忘却曲線」で攻めよう!

効率的に漢字をマスターするために、心理学の知見を取り入れてみましょう。今回は「エビングハウスの忘却曲線」を参考に、効果的な漢字学習法をご紹介します。

エビングハウスの忘却曲線とは?

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱したもので、人は一度覚えたことを時間が経つにつれて忘れてしまうという人間の記憶における特徴をあらわしたものです。この曲線からわかるのは、覚えた直後に復習すると、より長く記憶に残りやすいということです。

前述した
①短時間学習の継続
②繰り返しと復習のループで定着
は、まさにエビングハウスの忘却曲線を応用した学習法です。

「忘れない!」具体的な漢字学習法の一例

塾でもらう漢字プリントでもいいですし、レベルにあった市販の漢字ドリルでもいいので、それらのコピーをとりましょう。すべてのページまたはプリントを3部コピーします。

まず、初回は普通に漢字学習をします。もし間違えがあれば、翌日に直して練習します。そして3日後なり、1週間後なりに、2枚目のコピーを再び行います。さらに1ヶ月前後を目安に3枚目のコピーに取り組みます。

コピーは「◯月◯日用」と書いたファイルにまとめておくと、忘れずにすみます。

中学受験でよく言われるように、「親の仕事はコピーとり」ですよ!山のような紙、プリント、ドリル類を漢字に限らず、反復練習をするためにコピーするのが親の役目です。

どれくらい日数をあけるのかは、ひとりひとりの進度やレベルによって違いますが、試してみてはいかがでしょうか。いずれにしても継続は力なりとはよく言ったもので、コピーしっぱなし、で終わりにしないこと、かならず実践していくことが重要です。

参考:エビングハウスの忘却曲線/一般社団法人日本経営心理士協会

たまにはゲーム感覚で!親子で「漢字しりとり」もおすすめ

単純な漢字学習ですが、中学受験も佳境に入る前段階、小学校中学年(3〜4年生)なら、週末などに親子で漢字しりとりをしてみませんか?漢字しりとりはよく知られた学習法ですが、ご家庭でも親子で取り組みやすいのでおすすめです。

問題→題名→名前→前後左右→右往左往→往復

ポイントはルールにあります。いろいろな方法がありますが、複雑にしすぎると大変なのでご家庭では次の3つくらいに決めておくといいでしょう。

  • 熟語の最後の1文字でつないでいく
  • 一度用いた漢字は使えない
  • 三字/四字熟語でもよい

最初はいいのですが、同じ漢字を使えないので、しりとりもだんだん煮詰まってきます。そのため、親子対決なら、お子さんは「漢字辞典を使ってよい」とすれば、長く続きますし、新しい熟語を覚える機会にもなります。

漢字学習アプリを補助として使う

漢字学習のアプリも試してみる価値はあります。タブレットやスマートフォンを使って、いつでもどこでも手軽に漢字学習に取り組めるため、特にデジタル機器にふれるのが好きなお子さまに向いています。

基礎的な漢字ドリルから、中学受験レベルに特化したものまで、幅広い内容のアプリが揃っています。動画で漢字の書き順や読み方を解説してくれるものや、クイズ形式で楽しく学習できるものなど、お子さまの興味を引くような工夫が凝らされたアプリもたくさんあります。

アプリだけで漢字学習を行うというよりも、塾や家庭学習の補助として、合間の時間にゲーム感覚で行うのがおすすめです。

漢字力がAI時代にも必要な理由

パソコンやスマートフォンが身近になった今、「漢字が思い出せない」という経験は誰しもが一度はするのではないでしょうか。AI時代には漢字が不要になると言われることもありますが、少なくとも今の小学生が社会人になる間、あるいは社会人になってからも、漢字の知識は必要不可欠です。

確かに、漢字を書く機会は減っているかもしれません。しかし、文章を読み解く力、つまり「読解力」は、どんな時代においても求められます。当然ながら中学受験でも必要なスキルです。その読解力の基礎となるのは語彙力であり、語彙力は漢字や熟語の知識なしには身につきません。

漢字学習は地道で飽きやすいものですが、短い時間でも続けることで、確実に力がつくものです。親子で一緒に漢字学習に取り組み、子どもの漢字力アップをめざしましょう!

編集:オンライン家庭教師GIPS

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