今回は、EuLa明蓬館中等部様にインタビューさせていただきました!

まずは自己紹介をお願いします

EuLa(ユウラ)明蓬館中等部のチェアマンを務めております、日野公三と申します。

もともとリクルートで仕事をしていたのですが、2000年から教育の世界に飛び込みました。
最初に手がけたのは、東京インターハイスクール(米国通信制高校日本分校)というオンラインスクールです。
その後、2004年に石川県で広域通信制高校「アットマーク国際高等学校」を創立しました。

転機になったのは、自閉症の作家・東田直樹さんとの出会いです。
彼の入学をきっかけに、発達障害のある生徒を本格的に受け入れる学校をつくりたいと思い、2009年に福岡県で広域通信制高校「明蓬館高等学校」を開校しました。

そこからSNEC(スネック、スペシャルニーズ・エデュケーションセンター)という教育と福祉の連携拠点を全国に広げ、現在は50拠点以上のネットワークになっています。
通信制高校づくりに25年。その集大成として、2026年4月にEuLa明蓬館中等部をスタートさせました。

EuLa明蓬館中等部はどのようなフリースクールですか?

ひと言で言うと、「好き」を出発点にした探究型のオンラインフリースクールです。

メタバース空間に校舎があるので、全国どこからでも、海外からでも参加できます。
カメラもマイクもオフで入れるので、顔を出すのが苦手なお子さんも安心です。

学びの中心にあるのは「マイプロ」という探究活動です。
自分の「好き」をテーマに掘り下げて、作品をつくったり、発表したり、コンテストに挑戦したり。
受け身の勉強ではなく、自分の中から湧き出る好奇心をエネルギーに変えていく。
それが私たちの考える学びです。

もちろんオンラインだけではありません。
品川、国立、厚木、横浜・関内に直営の学習センターがあり、通学コースも選べます。
遠足やイベントなど、リアルな体験の機会もしっかり用意しています。
サポート校は、通学も可能な場所です。愛知・春日井市、岐阜・美濃加茂市、広島・呉市にあります。
週2〜4日の通学コースから、完全オンラインの自立コースまで。
お子さんの状態やご家庭の状況に合わせて、柔軟に学び方を選べる設計にしています。

フリースクールを設立しようと思ったきっかけを教えてください

高校で出会う生徒たちの姿が、ずっと気がかりでした。
明蓬館高等学校に入ってくる生徒の多くが、中学時代に不登校を経験しています。
学業への自信を失い、人間関係でつまずき、なかには鬱症状や引きこもり、不安症状を抱えて入学してくる子もいます。
つまり、多感な中学時代に適切な支えがなかったことで、二次障害、三次障害が重なってしまっているんです。

高校に入ってからでは遅い。
中学の段階で、教育と福祉の両面から寄り添う場所があれば、こうした苦しみの多くは防げるのではないか。

明蓬館高校で実践してきたSNECメソッド、つまり教員・支援員・心理相談員がチームを組んで生徒と保護者に伴走する仕組み。
これを中学段階にまで広げたい。
それがEuLa明蓬館中等部を立ち上げた一番の動機です。

私自身、小さい頃から競争が大嫌いでした。
人と比べられるのが嫌で、勝者を生むために敗者が必要になる仕組みが、どうしても納得できなかった。
だからこそ、競争しなくても、させなくても、一人ひとりが最高の時間を過ごせる場所をつくりたかった。
そんな思いが、中等部の設立につながっています。

どのようなお子さんが通われていますか?また、どんなお子さんにおすすめですか?

通ってくれているのは、本当にさまざまな背景を持つ中学生です。
不登校の子、発達障害の特性がある子、ギフテッドの子。
学校の集団生活にどうしてもなじめなかった子。
学力に問題はないけれど、教室のペースが合わなくて苦しんでいた子。
特別支援級にいた子もいれば、通級指導学級に在籍していた子もいます。

なかには、発達障害の傾向が疑われていても、成績に問題がないことで支援の網からこぼれ落ちてしまったお子さんもいます。

おすすめしたいのは、こんなお子さんです。
① 学校には行きづらいけれど、学ぶこと自体は嫌いじゃない子
② 「好きなこと」や「気になること」がある子
③ 自分のペースで、自分に合ったやり方で進みたい子
④ 人との関わりに不安はあるけれど、つながりを求めている子

どれかひとつでも当てはまるなら、きっとEuLaは合うと思います。
逆に言えば、ここは「決められた枠に戻す場所」ではなくて、「自分らしい学び方を一緒に見つけていく場所」です。

EuLa明蓬館中等部ならではの特徴や強みを教えてください

大きく3つあります。

① 25年分の通信制教育のノウハウが土台にあること
EuLaは突然できた場所ではありません。
明蓬館高等学校とアットマーク国際高等学校、合わせて卒業生5,000名以上の実績があります。
その経験値が、カリキュラムにも支援体制にも、しっかり反映されています。

② 多職種連携の「チーム担任制」
教科を教える教員だけではなく、生活面で伴走する支援員、心理検査やカウンセリングを担う心理相談員、さらに必要に応じて学校医や看護師、作業療法士、言語聴覚士の知見も活用します。
一人の先生が全部を背負うのではなく、チームで支える。
これは明蓬館高校のSNECメソッドを中等部に展開したもので、この多角的なアプローチは他にはなかなかない強みだと思っています。

③ メタバースを使った「安心できる校舎」
カメラもマイクもオフで参加できるので、対人の不安が強いお子さんでも自分のペースで関われます。
アバターを通じて少しずつコミュニケーションに慣れていく子もいれば、テキストチャットだけで参加する子もいる。
自分に合った関わり方を選べること。これがとても大きいと感じています。

あとひとつ加えるなら、入校時に「学習スタイル診断」を行い、一人ひとりの得意な学び方を探るところからスタートすることです。入学後、計画をたて、校内でWISC、WAIS、KABCなどの心理・発達検査を取れる体制をご用意しています。検査の取れる心理職が常駐でいることも大きな特徴です。

苦手を直すのではなく、強みを伸ばす。
その原点にあるのが、私たちの合言葉「誰もが学びの天才だ。異端は認められた途端、先端になる」という信念です。

学校に行きづらさを感じているお子さんや、その保護者の方へメッセージをお願いします

学校に行けないことは、問題行動ではありません。
私たちはそう断言します。

お子さんが学校に行かないのは、「学びたくない」からではなく、「今の場所では学べない」と感じているからかもしれません。
それは、とても正直な反応だと思うんです。

保護者の方にお伝えしたいのは、「うちの子だけが……」と思わなくていいということです。
学び方には本当にたくさんの選択肢があります。
教室に座って黒板を見ることだけが学びではない。
自分のペースで、自分の興味を起点に、自分に合ったやり方で学ぶことも、立派な学びです。

EuLa明蓬館中等部は、お子さんの「好き」を一緒に見つけて、そこから世界を広げていく場所です。
私たちのスタッフは教員だけでなく、心理の専門家も、福祉の専門家もいます。
お子さんだけでなく、保護者の方にも寄り添い、伴走します。

まずは、メタバース上の説明会をのぞいてみてください。
カメラもマイクもオフで大丈夫。
ちょっとだけ、のぞいてみる。それだけで構いません。

学びの場所は、ひとつではありません。
お子さんに合う場所は、きっとあります。
私たちは、その選択肢のひとつでありたいと思っています。