数学アプリは、うまく使えば学習を効率化し、理解を深める強い味方になります。一方で、「種類が多くてどれを選べばいいか分からない」「入れてみたけど、結局あまり使わなかった」という声も少なくありません。

そこで本記事では、数学アプリの主な種類を整理したうえで、それぞれの特徴や向いている使い方を解説します。さらに、アプリ学習でつまずきやすいポイントや、無理なく続けるための工夫も紹介します。

自分の目的や学習スタイルに合った活用法を見つけ、数学力を着実に伸ばすヒントにしてください。

数学アプリの種類を知ろう|主な4種類を紹介

一口に「数学アプリ」といっても、できることや使い方はさまざまです。計算練習が中心のアプリもあれば、分からない問題をその場で解説してくれるもの、勉強を補助するツール的な役割のものもあります。主な種類を知っておくことで、目的に合ったアプリを選びやすくなります。

まず問題演習タイプのアプリは、アプリに内蔵された問題を解いていく形式です。教科書に沿った内容のものが多く、基礎固めや定期テスト対策に向いています。計算力をつけたい人や、まずは問題をたくさん解きたい中学生・高校生におすすめです。

次にAIカメラタイプは、教科書やプリントの問題をスマートフォンで撮影すると、解法や答えを表示してくれるアプリです。今つまずいている問題を素早く解決したいときに役立ちます。ただし、答えを見ることが目的にならないよう、使いどころを意識するのが大切です。

質問回答タイプのアプリは、分からない問題を送信すると、人やAIが解説してくれる仕組みです。人間の先生が答えてくれるアプリは、フィーリングが合えばとても頼れる反面、回答を待つ必要もある点や、有料のケースが多い点には注意が必要です。

補助ツールタイプには、学習動画の検索アプリ数学公式集などがあります。理解があいまいな単元の動画を探したり、手軽に公式を検索したりと、学習を支えてくれます。

こうした数学アプリは、目的や学習スタイルに合わせて、単独使いも併用も可能です。問題演習とAIカメラで苦手の克服を狙う人もいれば、紙のノートで学習しつつ公式集だけアプリを使う人もいます。次の章では、中学生・高校生におすすめの具体的なアプリを紹介しますので、ぜひ柔軟に取り入れてみてください。

中高生向けのおすすめ数学アプリ8選

ここからは、おすすめの数学アプリを8つ厳選して紹介します。いずれもiOSとAndroidの両方に対応しているので、どちらの方も安心してご検討ください。

数学トレーニング【問題演習タイプ】

  • 対象:中学生
  • 対応科目:数学
  • 広告表示:あり(課金で非表示)
  • 料金:無料

数学トレーニングは、教科書に沿った内容の問題演習ができるアプリです。中学1〜3年生の範囲に加え、小学4〜6年生の範囲も復習用として収録されています。

問題は学年・分野ごとに細かく分かれており、方程式や関数・図形・確率・データの活用など、中学校数学の主要分野をひととおりカバーしています。解答画面では、指で途中計算を書き込んだり、広いメモ画面に切り替えて考えたりできます。この点は紙のノートに近い感覚です。

すべての問題は無料で利用でき、広告の非表示も買い切り300円で可能です。基礎をしっかり固めたい中学生にとって使いやすいアプリです。

高校数学の解法【問題演習+ツールタイプ】

  • 対象:高校生
  • 対応科目:数学
  • 広告表示:あり(iOSは課金で非表示)
  • 料金:無料

高校数学の解法は、問題演習と解説を通して解き方を学べるアプリです。解説は会話形式で、回答の流れを追いやすいのが特徴です。

問題演習機能「一問一答」では、単元や難易度を指定するとランダムに問題が出題され、すきま時間での復習にも向いています。解答や解説はいつでも確認でき、スターを付けて後から見返すことも可能です。また、公式集も収録されており、演習中に必要な公式をすぐに確認できます。

以上のすべての機能は無料で利用できます。広告の非表示はiOSのみ対応しており、買い切り500円です。数学の解き方の流れをつかみたい高校生にとって、演習と確認を両立できるツールとしておすすめです。

Photomath【AIカメラタイプ】

  • 対象:中学生・高校生
  • 対応科目:数学
  • 広告表示:あり(課金で非表示)
  • 料金:基本無料/詳細解説や追加機能は有料

Photomath(フォトマス)は、数式をカメラで撮影するだけで解法を表示してくれる、AIカメラ型の数学アプリです。シンプルな計算問題から高校レベルの数式まで対応しています。スマート計算機も内蔵しています。

テキストやアニメーションで段階的な解き方が表示されるため、「途中で何をしているのか」を理解しやすいのが特徴です。また、複数の解法がある問題はそれぞれ教えてくれるため、理解が深まります。計算の確認や解き直しに向いており、演習中の答え合わせにも使いやすいでしょう。

より詳しい解説や追加機能を使いたい場合は、有料プランを検討する必要がありますが、無料でも満足度の高いアプリです。

Knockノック【AIカメラ+質問回答タイプ】

  • 対象:高校生(中学生も可)
  • 対応科目:数学・英語(無料)/全教科(有料)
  • 広告表示:なし
  • 料金:基本無料(数・英)/スキャン回数増加と全教科対応は有料

Knock(ノック)は、問題を写真に撮って送信すると、AIが解説してくれるアプリです。解説に対して追加で質問もでき、分からない点をそのままにせず確認できます。

解説を見るだけでなく、類題演習を自動生成できるため、理解を深めやすいのも強みです。高校生向けに設計されていますが、中学生でも十分活用できます。

無料でスキャンできるのは数学と英語で、毎週月曜日に10回分の無料スキャンが付与されます。スキャンは追加購入も可能です。また、有料プランのKnock Plusに登録すると、理科・社会など全教科に対応し、スキャンは無制限となります。有料プランは14日間のトライアルがあるため、試験前など使いそうな期間に試してみるのもおすすめです。

QANDA【AIカメラ+質問回答タイプ】

  • 対象:中学生・高校生
  • 対応科目:数学/英語/理科/社会 など
  • 広告表示:あり(課金で非表示)
  • 料金:基本無料/先生への質問は有料

QANDA(クァンダ)は、これひとつで勉強がはかどる「AI宿題アシスタント」として提供されているアプリです。教科書やプリントの問題を写真に撮ったり、テキストで質問したりすると、AIが解説を返してくれます。数学だけでなく、英語・理科・社会にも対応しているため、教科をまたいで使いたい場合もQANDAだけで完結します。

過去問解析や暗記クイズ、学習タイマー、スタディグループ機能などもあり、日々の学習をサポートしてくれます。さらに、有料のコインを使えば人間の先生に質問することも可能です。中学生にも高校生にも使いやすいアプリです。

ラクモン【質問回答タイプ】

  • 対象:小・中・高校生
  • 対応科目:全教科
  • 広告表示:なし
  • 料金:最初の3回は無料、以降は有料(毎月無料チケットの配布あり)

ラクモンは、分からない問題を写真やテキストで送ると、人間の先生から解説が返ってくるアプリです。数学を含めた全教科に対応しています。

先生のなかには難関大学の現役生や卒業生も多く、「どこでつまずいているか」「なぜ間違えたのか」を汲み取った説明を受けやすいのが特徴です。無料チケットを使い切った後は課金制になりますが、1人で行き詰まったときに質問すれば、理解を深められます。

なお、人が対応する仕組みのため、質問内容や混雑状況によっては回答までに時間がかかる場合もあります。考えた内容や分からない点を具体的に伝えると、先生も答えやすくなり、やりとりがスムーズに進みやすいでしょう。

学習用検索アプリokke【ツールタイプ】

  • 対象:高校生・中学生
  • 対応科目:全教科
  • 広告表示:なし
  • 料金:無料

okke(オッケ)は、勉強に関する動画とチャンネルだけを検索・視聴できる検索アプリです。一般的な動画検索と違い、エンタメ動画や広告が表示されないため、調べたい内容に集中しやすいのが特徴です。

単元ごとに絞り込んで検索できるため、「この分野だけ分からない」「授業のここを復習したい」といった場面で使いやすくなっています。高校生向けの検索項目が多いですが、中学生向けの動画も検索可能です。また、勉強法や進学に関する動画も検索できます。

okkeはブラウザ版もありますが、ほかのサイトに目移りしやすい恐れがあるため、活用するならアプリ版をインストールするのがおすすめです。

数学公式集【ツールタイプ】【iOSはAIカメラあり】

  • 対象:中学生・高校生
  • 対応科目:数学
  • 広告表示:あり
  • 料金:無料

数学公式集は、教科書準拠の公式集アプリです。数と式・関数・図形といった中学数学の内容から、高校生の数学ⅠA・ⅡB・ⅢCまで、重要な公式が幅広く収録されています。

各公式には、使う場面や覚え方の解説が付いており、記憶に残りやすいのが特徴です。アプリ内検索にも対応しているため、問題演習中に必要な公式をすぐに調べられます。

また、2025年12月からは、AI解法カメラ機能も追加されました。記事執筆時点ではiOS限定のベータ版ですが、問題を撮影するとAIが解説を表示してくれます。

計算練習や問題演習と併用し、補助ツールとして活用するとよいでしょう。

数学アプリ学習でつまずかないための4つの工夫

数学アプリは手軽で便利な反面、「入れただけで終わる」「続かない」「分かった気になる」といったつまずきも起きやすいです。ここでは、アプリ学習をムダにしないために意識したい4つの工夫を紹介します。

目的・難易度が合ったアプリを選ぶ

数学アプリ選びで最も重要なのは、自分の目的今の理解度に合っているかです。定期テスト対策に教科書準拠のアプリ、苦手克服のために質問回答アプリ、紙の参考書と併用で動画検索アプリなど、目的によって向いているアプリは変わります。

また、問題演習系のアプリは難しすぎると挫折しますし、簡単すぎると力が伸びません。今のレベルより少しだけ上を狙えるアプリを選ぶのがコツです。

解説を見る前に1分でも考える

すぐに解説を見られるのはアプリの強みですが、最初から答えを見るのはおすすめできません。特にAIカメラ系のアプリは要注意です。

たとえ1分でも自分で考えることで、どこが分からないのかが見えてきます。この状態で解説を読むと理解の深さがまったく違います。最初は自力で正解できなくても問題ありません。考えた時間そのものが学習効果を高めます。

間違えた理由をメモする

間違えた問題は、答え合わせをして終わりにせず、間違えた理由を一言メモしておくのがおすすめです。

「公式を忘れていた」「計算ミス」「問題文の読み違い」など、原因を言葉にするだけで同じミスは減っていきます。アプリ内のメモ機能やノートアプリを使えば十分です。復習の質を上げるシンプルで効果的な方法です。

ほかの人の力も借りる

アプリだけですべてを解決しようとすると、どうしても限界があります。分からないまま立ち止まってしまう前に、ぜひ人の力も借りましょう

アプリの質問機能を使う、友だちに聞く、学校の先生や塾・家庭教師の先生に相談するなど、いろいろな相手が考えられます。最近ではオンライン家庭教師も有力な選択肢です。1人ではなかなか理解できない部分が、第三者の説明で一気に理解が進むことも多いものです。

数学アプリを上手に活用して成績アップを目指そう

数学アプリは、入れるだけで自動的に成果が出るものではありません。目的やレベルに合ったアプリを選び、考える時間を確保し、間違いを振り返ることが大切です。また、必要に応じて人の力を借りることで、理解が一気に進むこともあります。

学習の進め方は、個人のタイプや理解度によって異なります。紙のノート中心でも、アプリ中心でも構いません。自分に合った形で柔軟にアプリを取り入れ、無理なく数学学習を続けていきましょう。

もしアプリだけの学習に不安を感じたら、オンライン家庭教師GIPSでも相談に乗りますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

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