通話アプリは、無料で音声通話やビデオ通話、グループ通話ができる便利なツールです。子どもの日常生活でも、保護者との連絡や友人同士の連絡に必要な場面が増えています。
一方で、通話アプリのなかには「出会い」を目的としたものや、SNS的な要素の強いものなど、未成年の利用には向かないアプリも混在しているのが実情です。
この記事では、小中高生の保護者の視点から、安心して使える通話アプリと選び方のポイント、そして家庭でできる安全対策を解説します。
通話アプリとは?種類と無料の理由

通話アプリとは、電話回線ではなくインターネット回線を使って通話ができるアプリです。
一般的な電話は通話時間に応じて通話料金がかかるのに対し、通話アプリは通信データをやり取りして音声を届けるため、通話料そのものは発生しません。これが「無料で通話できる」と言われる理由です。
ただし、通信データを使う以上、モバイル回線を利用すればデータ通信量は消費されます。特にビデオ通話はデータ容量を圧迫しやすいため、Wi-Fi環境での利用がおすすめです。
通話アプリは機能の幅も広く、音声通話だけのものから、ビデオ通話、複数人が同時に参加できるグループ通話、チャットやスタンプのやり取りにも対応するものまでさまざまです。日常の連絡に使われるLINE、Apple製品同士でつながるFaceTime、オンライン授業でおなじみのGoogle MeetやZoomなど、目的に応じて選択肢が分かれます。
未成年が通話アプリを使う注意点

便利な一方で、通話アプリには未成年ならではの注意点があります。
もっとも注意したいのが、SNSのように、面識のない相手とつながる仕組みを持つアプリです。こうしたアプリで未成年が犯罪に巻き込まれる流れは、日常的なやり取りから始まって、次第に個人情報や自撮り写真を求められていくパターンが典型的です。
警察庁の統計によると、SNSに起因する犯罪の被害児童数は、令和7年(2025年)中で1,566人にのぼり、前年から増加しました。中学生が758人ともっとも多く、小学生も167人と過去10年で最多となっています。※こでいうSNSにはオンラインゲームも含まれます
なお、出会い系サイト規制法の対象となるサービスは、18歳未満の利用が禁じられています。対象外のアプリでも、利用規約で年齢の下限を定めていることが多いため、インストール前に必ず確認しましょう。
お子さまには、知らない人と話さないことだけでなく、「住所や学校を教えない」「写真を送らない」まで具体的に伝えておくのが大切です。また、フィルタリングの設定も確認しておきましょう。先ほどの警察庁の統計で、被害児童のうちフィルタリングの利用状況が判明した771人を見ると、約9割がフィルタリングを利用していませんでした。アプリを正しく選び、設定を整えることには、それだけの意味があります。
参考:
令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況|警察庁生活安全局人身安全・少年課(令和8年2月)
出会い系サイト規制法|警察庁
安全な通話アプリの選び方5つのポイント

お子さまに持たせるアプリを選ぶとき、確認しておきたいポイントは5つあります。
知り合いとだけつながる設計か
連絡先を知っている相手、あるいは保護者が承認した相手としかつながらない設計になっているかを確認します。ランダムマッチング機能や、不特定多数が集まるオープンな場があるアプリは避けるのが安全です。
年齢制限・年齢確認があるか
利用規約に年齢の下限が定められているか、あるいは年齢確認の仕組みがあるかを確認します。年齢によって使える機能が制限されるアプリは、それだけ青少年保護に配慮していると考えられます。
通報・ブロック機能があるか
万が一トラブルが起きたときに、その場で相手をブロックしたり、運営に通報したりできるかどうかは重要です。困ったときに対策が取れるアプリを選びましょう。
不特定多数のユーザーと交流できるアプリでは、運営による監視体制や、違反ユーザーへの対応方針もチェックポイントです。
保護者が管理しやすいか
友だち追加の承認、利用時間の制限、利用状況の確認など、保護者側から関与できる仕組みがあると安心です。ペアレンタルコントロールやファミリー機能とも呼ばれます。お子さまの年齢が低いほど、こうした機能の優先度は高くなります。
運営元が明確で信頼できるサービスか
運営会社が明記されているか、プライバシーポリシーが公開されているかを確認しましょう。個人情報の扱い方が不透明なアプリは、それだけで候補から外して構いません。
小中高生・家族におすすめの通話アプリ5選
ここからは、未成年でも比較的安心して使えるアプリを紹介します。「子ども向け」と銘打たれたアプリでも、中学生以上が便利に使える場合もあるので検討してみてください。
なお、各アプリの年齢条件や料金、機能は変更されることがあります。導入前に必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。
| アプリ | 主な用途 | こんな方に |
|---|---|---|
| LINE | 日常連絡全般 | まず定番を押さえたい 周りと同じが良い |
| FaceTime | 家族・友人と高品質通話 | 家族みんながApple製品 |
| JusTalk Kids | 見守り・キッズ連絡 | 小学生の子に安心して持たせたい |
| Google Meet | 日常の通話 オンライン授業 | Androidを使っている Googleアカウントを使っている |
| Zoom | オンライン授業 勉強会 | 保護者の仕事、塾や学校で Zoomを使っているご家庭 |
LINE

- 対応:iOS・Android・PC
- 料金:基本無料(一部機能は有料)
- 広告:あり
- 利用推奨年齢:12歳以上
LINEは、国内で広く利用されている定番のコミュニケーションアプリです。周囲の人がすでに使っていれば連絡手段に困らず、家族や友人との日常的なやり取りに向いています。
一方で、知らない人とつながる機能がある点には注意が必要です。対策として、LINE側で18歳未満の利用者(または年齢が未確認の利用者)に対し、LINE IDの設定やID検索、電話番号を利用した友だち検索といった一部機能を制限しています。
お子さまが保護者名義の回線を使う場合、年齢確認を行うと、契約者の年齢をもとに18歳以上と判定されることがあります。携帯電話会社に「利用者はお子さま」という登録がされているか、一度確認すると安心です。
FaceTime

- 対応:Apple製品のみ
- 料金:無料
- 広告:なし
- 年齢制限:Apple IDは13歳以上(13歳未満は保護者がファミリー共有で作成)/App Storeの年齢指定は4歳以上
FaceTimeは、iPhoneやiPadに標準で搭載されている通話アプリです。追加のアプリを入れなくても、高品質なビデオ通話・音声通話ができます。SNS的な要素はない点が安心材料です。
連絡先に登録した相手とだけ通話できるように設定することも可能なので、小さなお子さまにも向いています。相手側もApple製品を持っている必要がありますが、この点がクリアできれば、家族や友人との日常連絡に適したアプリです。
JusTalk Kids

- 対応:iOS・Android
- 料金:基本無料(一部機能は有料)
- 広告:なし
- 年齢制限:4歳以上(13歳未満は保護者の監督と同意のもとで使用)
JusTalk Kidsは、子ども向けに設計された通話・メッセージアプリです。操作ボタンが分かりやすく、広告表示もありません。留守番中の連絡や、塾や習い事の行き帰りの連絡に向いています。保護者側は「JusTalk Family」または「JusTalk」を別途インストールして使います。
なお、保護者の端末から子どものアプリを管理する機能は、有料プランに含まれます。無料の範囲でも、お子さまの端末でパスコードを設定して設定項目を触れないようにしたり、お互いに承認しないと友だち追加されない、といった基本機能は使えるため、まずは無料で試すのがおすすめです。
GoogleMeet

- 対応:iOS・Android・PC
- 料金:基本無料(会議は参加者2人で最長24時間、3人以上は最長60分)
- 広告:なし
- 年齢制限:Googleアカウントは13歳以上(13歳未満は保護者がファミリーリンクアプリで作成)/App Storeの年齢指定は4歳以上
Google Meetは、オンライン授業で使われることも多いアプリです。また、Androidには最初から入っている場合もあります。会議アプリの印象が強いかもしれませんが、連絡先の相手に直接発信できる通話機能も備えています。
Google Meetアプリを持つ相手となら、会議のURLを発行しなくても電話のように連絡を取れます。未成年の個人アカウントでは、登録した連絡先からのみ着信を受けられる点は安心材料です。
会議リンクを使う場合も、音声のみの「外出モード」に切り替えると、スマートフォンを耳に当てて電話のように会話が可能です。
Zoom

- 対応:iOS・Android・PC
- 料金:基本無料(無料プランは1回の会議(通話)が40分以内)
- 広告:なし
- 年齢制限:16歳以上(教育機関向けZoomを通じた利用を除く)
Zoomは会議アプリの代表格ですが、通話にも使えます。モバイルアプリでスピーカーモードをオフにすれば、耳元で音声が聞こえるようになり、電話に近い感覚で会話できます。
ただし無料プランは、人数にかかわらず1回40分で終了するため、長電話には向きません。また、会議URLを知っている人は誰でも入れてしまうため、リンクの共有範囲には注意しましょう。
利用できるのは16歳からですが、保護者の仕事でZoomを使っている、塾や学校で指定された、といったご家庭なら、すでに入っているアプリをそのまま家族の連絡にも活かせます。
通話アプリで保護者ができる安全対策

通話アプリを安全に使いつづけるために、家庭でできる対策を3つ紹介します。
フィルタリング・ペアレンタルコントロールを設定する
スマートフォンの契約時には、携帯電話会社が提供するフィルタリングサービスを利用できます。保護者名義の契約でも、利用者がお子さまであることを登録すれば対象になります。
また、端末に搭載されている保護者向け機能も活用できます。iPhoneやiPadなら、標準機能の「スクリーンタイム」が便利です。Androidは各端末の保護者向け機能や、Googleの「ファミリーリンク」アプリが選択肢です。
これらの保護者向け機能で、アプリの利用制限や利用時間の管理、アプリのインストール制限などを設定できます。お子さまの年齢や利用状況に合わせて適切に設定しましょう。
使い方のルールを決めておく
通話アプリの導入前に、家庭内でルールを取り決めておきましょう。
- 時間・場所:
「夜◯時以降は使わない」
「食事中・勉強中は触らない」など - 約束事:
「知らない人とはつながらない」
「個人情報や写真を送らない」など
つい保護者側で決めたくなりますが、頭ごなしに押し付けないことが大切です。話し合って一緒に決めたルールのほうが、結果的に守られやすくなります。
困ったときの対処法を知っておく
万一トラブルが起きてしまったら、まずアプリ内の通報・ブロック機能を使いましょう。その上で、外部の相談窓口も知っておくと安心です。
こども家庭庁のWebサイトには、インターネット上での問題や有害情報などの相談窓口が紹介されています。
警察相談専用電話「#9110」は、緊急性はないけれど警察に相談したい場合の、全国共通番号です。受付時間は原則として平日の日中ですが、都道府県によって異なります。
警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ|政府広報オンライン
各都道府県のネットトラブル相談窓口も利用可能です。必要に応じて検討してください。
通話アプリに関するよくある質問

最後に、通話アプリについて疑問に思われやすい点をまとめました。
通話アプリは無料で使えますか?
通話料そのものはかかりませんが、データ通信量は消費します。また、一部のアプリでは有料プランや課金アイテムが存在します。なお、固定電話へ発信する場合は、別途通話料が必要となるのが一般的です。
通話アプリは何歳から使えますか?
アプリごとに異なります。たとえばLINEの利用推奨年齢は12歳以上、Zoomは16歳以上です。
FaceTimeとGoogle Meetは、App Storeの年齢指定こそ4歳以上ですが、利用にはApple IDやGoogleアカウントが必要です。13歳未満の場合は、保護者がファミリー共有やファミリーリンクでアカウントを作成します。
JusTalk Kidsも4歳以上ですが、13歳未満は保護者の監督と同意が前提です。事前に利用規約を確認しましょう。
相手が同じアプリでなくても通話できますか?
基本的には、同じアプリを使っている相手同士での通話になります。一部のサービスは有料プランで固定電話への発信に対応していますが、無料の範囲では同じアプリ同士と考えましょう。
小学生に使わせても大丈夫ですか?
ペアレンタルコントロールの設定と、家庭内のルール作りができていれば問題ありません。承認した相手としかつながらないアプリを選ぶと安心です。詳しくは本文の「安全な通話アプリの選び方」をご覧ください。
まとめ:安全な通話アプリで安心してコミュニケーションを楽しもう
通話アプリは、使い方さえ間違えなければ、お子さまの生活を豊かにしてくれる便利なツールです。アプリそのものよりも、見知らぬ人とつながる余地がある設計や、適切に設定されていない端末が危険なのだと考えましょう。
知り合いとだけつながるアプリを選び、フィルタリングを設定し、家庭のルールを一緒に決めれば、過度に心配する必要はありません。まずはご家庭の環境に合うアプリを一つ選び、お子さまと一緒にルールを話し合うところから始めてみてください。
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